高知県香南市出身の映画プロデューサー・濱口典子さん(59)が製作プロデュースを手掛けた映画「レディ加賀」が4月27日から、高知市の高知あたご劇場で県内初公開される。石川県の温泉街を舞台に繰り広げられる「おもてなし」をテーマにした作品。1月の能登半島地震を受けて、配給収入の5%を石川県に寄付する。濱口さんは「観て、元気になって、被災地を応援してほしい」と呼び掛けている。
2007年と24年の能登半島地震、20年から猛威を振るった新型コロナウイルス禍など、石川県の経済と観光は相次ぐ災害や感染症で打撃を受けてきた。濱口さんと夫の映画監督・雑賀俊朗さん(65)らは地域再生の力になろうと、同県や加賀市などとともに映画製作を検討。加賀温泉の旅館女将らが14年に結成したプロモーションチーム「レディー・カガ」から着想を得て、「レディ加賀」の企画をまとめた。
東京でタップダンサーになる夢を諦め、加賀温泉にある実家の老舗旅館で女将修業を始めた「一人娘」の主人公が、持ち前の明るさと根気強さで奮闘するストーリー。加賀温泉を盛り上げるためのプロジェクトで、新米女将たちを集めてタップダンスのイベントを開催するなど、笑いあり涙ありの展開が続く。主演の小芝風花さん(27)は、撮影9カ月前からタップダンスの練習に打ち込んで役作りに励んだ。小芝さんらのコミカルな演技とともに、キレのあるタップダンスも見所だ。
ロケは22年5月から約1カ月間、コロナ禍による感染症対策を取りながら金沢市と加賀市で実施。24年2月から全国公開されている。石川県での舞台あいさつが計画されたが、同1月1日の地震発生で大々的なプロモーションは中止となった。
濱口さんは「コロナや災害にもめげず、地元を盛り上げたいという前向きなメッセージを込めた作品。被災地の応援とともに、自分の古里も大切にしたいという思いを感じてほしい」と話す。
高知あたご劇場では4月27日から5月6日まで、濱口さんと監督を務めた雑賀さんが連日、舞台あいさつに立つ予定。【小林理】
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