法務省は、全国の小中学生から悩みや相談を受け付ける「子どもの人権SOSミニレター」を配布している。封筒と便箋が印刷されており、切り抜いて相談事を書いてポストに入れれば返事が届く。切手はいらない。7月上旬までに国内全ての小中学校に配られる。
ミニレター事業は2006年度に始まった。いじめや虐待、体罰など、親や学校の先生といった身近な人に相談できない悩みを打ち明けてもらい、法務局の職員や人権擁護委員が解決方法をアドバイスする。返信先は自宅や学校以外も指定でき、電話でのやりとりも可能だ。
23年度は7511件の相談が寄せられ、いじめは2126件あった。ある中学生は同級生からいじめを受け「死んでしまいたい」とミニレターに書いた。誰にも話せなかったといい、法務局は学校側に情報を提供。中学生にもスクールカウンセラーへの相談を勧め、家庭と学校で見守る態勢ができたという。
親が信仰する宗教を背景にした悩みを抱える「宗教2世」の問題を踏まえ、「親から宗教を理由に学校の行事に参加させてもらえない」と具体例を挙げて、相談しやすくした。法務省人権擁護局の担当者は「秘密は守るので、悩みごとがあれば何でも相談してほしい」と呼び掛けている。【三上健太郎】
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