次の都知事を決める、天下分け目の「七夕決戦」へ、東京の有権者たちは、今後の都政に何を期待するのか?介護や保育の現場は、今どうなっているのか?取材しました。

■都民に聞く東京の課題

サタデーステーションが注目したのは首都・東京の現状と課題。都民の皆さんはどう感じているのでしょうか。

「物価高い!」(中央区在住・30代・自営業)
「賃金アップ。それ以上に物価が上がっているので」(江東区在住・20代・会社員)
「人が多すぎて電車がめっちゃ混む。東京に人を集めすぎてもどうかな」(世田谷区在住・20代・会社員)
「再開発で選手村をつくってますけど投資目的で買われてて、要は買ってるけど人が住んでない。本当の再開発になっているのか」(中央区在住・40代 不動産会社経営)

物価高。東京一極集中。せっかくの再開発も投資対象になっていて“住みたい人が買えない”という声も。

■保育園を増やしても保育士が足りない

中でも喫緊の課題を抱える現場があります。まず私たちが訪ねたのは保育園。保護者のひとりに話を聞くと…

「保育無償化があったりとか、支援があったりとか結構まとまった金額であったのですごく助かった」(杉並区在住30代)

都は「保育無償化」「待機児童の解消」「高校授業料の無償化」「不妊治療への助成」など子育て・少子化の分野で複数の対策をとってきました。

「保育園も比較的近所の近いところにすんなり入れましたし『赤ちゃんファースト』とかもすごくありがたい」(杉並区在住20代)

一方で、今月初めに発表された東京都の合計特殊出生率は、全国で最低の「0.99」で、初めて1を割り込みました。

「出生率が低くなっているというのは聞くので、それによって将来子どもたち世代ががすごく負担が出てくると思うんですね」(杉並区在住30代)

従事者側の課題は、保育の「質」の確保。

「急激に保育園が増えたことによる安心、安全の担保がまだまだ課題。保育士不足な園が増えてしまっている」(Picoナーサリ久我山 野上美希さん)

保育園の増加と同時に、保育士を増やすことも急務だといいます。

■介護の人材不足

「ここ1、2カ月で休職の方が増えてしまい負担は結構大きい」(杜の癒しハウス文教関口 大井一人さん)

介護福祉士の大井さん。多い時で10人の入居者を1人でみなければいけない時もあるそうです。この施設では、今月だけで2人が退職しています。離職者も多い介護の現場。東京都にできることはあるのでしょうか。別の施設の職員は…

「やはり東京都は地方と比べても違うじゃないですか。使うお金の量、かかるお金も違うので」(特別養護老人ホーム 博水の郷 番本鷹也さん)

人材不足の支援策として都は、介護機器購入への助成金や借り上げ住宅に対する家賃の補助など従事者の環境改善に取り組んでいます。

「(期待するのは)やりがいを感じてくれるような人が集まるような発信。来ていただいた人をつなぎ留められるように、お給金面も高ければ頑張って働こうという気になると思う」(杜の癒しハウス文教関口 大井一人さん)

争点になる公約について専門家は…

「小池さんのことで非常に目立っていたのは例えば子育て対策であるとか少子化対策そういうのを国よりも先にやっていく。蓮舫さんというと行政の無駄を削減していく、それを訴えるのが蓮舫さんの強みになっていく」(法政大学大学院・白鳥浩教授)

これまでに50人以上が都知事選に出馬を表明。東京の諸課題に対し、どんな公約を掲げるのでしょうか。

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高島彩キャスター)
今回の都知事選に関しては、立候補者の数にも注目が集まっています。

板倉朋希アナウンサー)
きょう、分かっている立候補予定者は54人。ちなみに過去最多だった前回選挙の時で22人の2倍以上となっています。様々な経歴や肩書の人たちがいますが、では、なぜここまで数が増えているのかですが、VTRでもご登場いただいた法政大学大学院の白鳥浩教授にお聞きしたところ「動画配信やSNSの普及で、自分の主張を発信するハードルが下がり、都知事選という注目度が高い選挙で、自分の意見を発信したいという人が増えているのではないかということです。一方で、動画の閲覧数を増やし収入につなげようと“選挙をビジネスとして捉える候補者”が増えている側面もあるのではないか」とおっしゃっています。こうした中で問題になってくるのが「売名行為目的の候補者が増えすぎると、政見放送が長時間になり、本当に見たい候補者の番が来る前に“くだらない話は聞いてられない”と見るのをやめてしまう可能性があると。そうなると“有権者の知る権利を侵害”することにもつながるのではないか」と指摘されています。

高島彩キャスター)
政見放送、1人5分30秒、かなりたっぷりと時間ありますからね、それをどう使うのか。そして、候補者の乱立を防ぐためには、立候補に必要な300万円という供託金の額を引き上げてはどうか?といった声もありますが、そのあたりは柳澤さん、どうですか?

ジャーナリスト・柳澤秀夫氏)
売名行為が目的の候補者にとっては、宣伝効果の方が大きいですから。供託金の額を引き上げても、それで立候補をやめるということにはならないのではないでしょうか。掲示板も政権放送も“これで良いんですか”ということを今回の都知事選挙を通して考える良い機会になっていくかもしれませんね。

高島彩キャスター)
動画配信など様々なツールがある中で、現状に合う選挙制度に変えていくタイミングなのかなと。

ジャーナリスト・柳澤秀夫氏)
掲示板にしても、政見放送にしても税金が使われているわけですからね。

高島彩キャスター)
そのあたりをしっかりと考えていきたいと思います。

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