東京・江戸川区にある老舗の扇子工房では、太い骨と広い折り幅が特徴の「江戸扇子」作りが最盛期を迎えています。

江戸扇子工房「まつ井」 松井宏さん
「こういう音がするんですよ。これが江戸扇子の特徴」

 「江戸扇子」は15本の竹の骨と和紙のみで作られていて、紙の折り幅が広く、扇子を閉じた時にパチンと心地良い音を立てるのが特徴です。

 日本の伝統美を表現する小道具として、落語の寄席など古典芸能でも使われてきました。

 絵柄はシンプルなものが多く、細かい模様が規則的に並んだ小紋柄や幾何学模様が中心で、過度な華やかさをまとわない粋な美しさがあります。

 1本の扇子を作るには、1人の職人がすべてを手作業で行うため4日ほど掛かります。

 絵柄が描かれた和紙に手際よく折り目を付けたり、のり付けした竹の骨を和紙の間に差し込んだり、30もの工程を経て完成します。

江戸扇子工房「まつ井」 松井宏さん
「こだわりとしては、手は抜かない。気は抜かない。毎日一生懸命やっています。真心込めて作ってますから、大事に使ってほしいってところありますよね」

 今年は4月下旬頃から注文が増え始めていて、8月頃まで作業が続くということです。

 松井さんはエアコンの風で涼むだけではなく、江戸扇子の粋な風で涼を感じてほしいと話しています。

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