間もなく閉店、「蛍の光」じゃ伝わらない? 100円ショップ「ダイソー」を展開する大創産業(東広島市)は、小売店などで閉店を知らせる定番曲「蛍の光」に代わり、新しい閉店時の音楽を全国の店舗で放送し始めた。同社は「さりげなく心地よく、かつ外国人にも伝わるよう閉店を促したい」としている。
曲名は「Good Day ~閉店の音楽~」。自然の風景を感じさせるゆったりとしたメロディーを、オーボエなどの温かみのある楽器を中心としたオーケストラで奏でた。想起させるキーワードは「郷愁感」。つまり「家に帰りたくなる気持ち」だという。11日から直営店を中心とした全国約2900店舗で、閉店の直前に放送されている。
制作の経緯について、店舗での勤務経験もある同社グローバル広報課の後藤晃一さん(48)は「蛍の光が流れると、日本人には『そろそろ閉店だな』とわかってもらえる。でも近年は外国人も増え、意味が伝わらない方も増えた。買い物を楽しむ気持ちを損ねることなく閉店の声かけをするのは大変。そこで、さりげなく閉店を伝えながらも、快くお帰りいただけるような新しい閉店音楽を考えた」と話す。蛍の光は別れの定番曲でもありメッセージ性が強く、印象をやわらげたい思惑もあったという。
制作にはUSEN(東京都品川区)などが協力。店舗で出口調査などを行い、蛍の光よりも新曲の方が「閉店にふさわしい」「郷愁を感じる」などの項目で優れた結果を得たという。後藤さんは「お客様を不快にさせず、お買い物を楽しんで帰ってもらい、また来店したいと思っていただくことが大切」と話している。【秋丸生帆】
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