香川県三豊市は7月1日から、同性カップルの住民票の続き柄欄について、男女の事実婚の場合と同様に「夫(未届)」「妻(未届)」と表記できるようにする。山下昭史市長が14日、6月定例市議会で表明した。社会保障など国の法律や制度に影響を及ぼすものではないが、山下市長は「自分らしく生きたいと誰もが願う当然の思いを支援したい」と述べた。【佐々木雅彦】
同市はこれまで、続き柄欄には「同居人」と表記していた。同性カップルの住民票表記を巡っては、「同居人」「縁故者」とするのが一般的とされるが、長崎県大村市が5月、男性カップルの続き柄を「夫(未届)」と記載して交付し、異例の対応として話題になった。鳥取県倉吉市も2023年10月から同様の運用をしている。栃木県鹿沼市も7月から表記を可能にする方針で、東京都世田谷区も検討している。
三豊市の山下市長は田中達也市議(無所属)の一般質問に答えた。田中氏は質問の冒頭、自身の弟(45)が当事者であることを明かした。弟は香川県外で年上の同性パートナーと暮らしており、同性婚が可能になるまで待ちきれずに養子縁組をしたと説明。田中氏は議場を見渡して「我が子が当事者だったらどうするか」と問いかけ、「性の多様性はイデオロギーの問題だととらえられがちだが、ぜひ皆さんに考えていただきたい」と訴えた。
同市は20年、性的少数者のカップルを公に認める「パートナーシップ宣誓制度」を四国で初めて導入。22年には、同居する子どもや親も家族として公認する「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」に拡充した。
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