JR横浜駅(横浜市西区)近くの路上で9日夜、フィリピン国籍の礒崎・アリス・ヒマオさん(57)が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された無職の安藤幸生容疑者(33)=東京都町田市=が「(刺すのは)誰でもよかった」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で判明した。県警は安藤容疑者が無差別に通行人を襲撃したとみて捜査している。
捜査関係者によると、安藤容疑者は調べで事件現場に「東京から当日、横浜に来た」と供述。容疑を認めており、礒崎さんについては「女性と面識はなかった」と説明しているという。
また、礒崎さんが襲撃されて逃げた際に「助けて」と周囲の人に求めていたことも判明。礒崎さんは胸を中心に複数の箇所を刺されており、背中に目立った傷はなかった。腕には抵抗した際にできたとみられる傷もあったという。司法解剖の結果、礒崎さんの死因は出血性ショックだった。
安藤容疑者は9日午後7時40分ごろ、礒崎さんの上半身を複数回刺して殺害した疑いで殺人容疑で逮捕された。事件発生の約3時間後に「人を刺した」と言って、横浜駅西口の交番に自首。手にしていたバッグには凶器とみられる包丁1本が入っていたという。
一方で、安藤容疑者は2023年8月、東京都内の自宅で同居する母親を刺したとして、交番に自ら届け出ている。24年6月5日に母親に対する傷害罪で執行猶予付きの有罪判決を受けた。その後、アルコール依存症の回復に取り組む山梨県の支援施設に入ったが、6日夜に施設を出て行方が分からなくなっていた。【矢野大輝、横見知佳、宮本麻由、柿崎誠】
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