木原稔防衛相は14日の記者会見で、米海軍司令官が垂直離着陸輸送機オスプレイの全面的な任務再開は2025年半ば以降になるとの見通しなどを示したことについて「オスプレイの安全性に問題はなく、運用停止を求める考えはない」と強調した。一方、司令官の発言を「事前に承知していなかった」とも述べた。
23年11月に鹿児島県・屋久島沖で米空軍のオスプレイが墜落し、自衛隊と米軍は一時、オスプレイの飛行を全面停止したが、24年3月に飛行を再開している。
米海軍航空システム司令部のチェビ司令官は12日、連邦下院の公聴会で、全面的な任務再開に向けた基準をクリアする見通しの25年半ばまでは制限付きの飛行が続く認識を示した。また、屋久島沖の墜落事故とは別に、クラッチの不具合が原因の事故が過去に19件あったことも判明している。
木原氏は公聴会での発言について「内容の詳細を米側に確認している」としたものの、「(屋久島沖の)事故は原因が特定されており、安全対策を講じることで予防できる」と強調。「日本国内の日米のオスプレイも安全に運用を行っている」とし、陸上自衛隊に配備されているオスプレイについても飛行は停止しない考えを示した。【中村紬葵】
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