ある中小企業が突然、不正輸出のぬれぎぬを着せられました。

 捜査したのは公安警察です。

 捜査当局に不利な証拠があったのに、立件へ突き進んだ手法に疑念が持たれています。

 この事件に問題意識を感じた記者が、捜査の内幕を明らかにしようと、複数の捜査関係者に接触し、50時間以上にわたる取材を続けてきました。

 不正輸出を疑われた化学機械メーカー「大川原化工機」は疑惑を晴らそうと、社員一丸となって闘います。

 捜査に協力した大学教授には「公安にだまされた」と後悔の思いを記者に語った人もいます。

 捜査を主導した警視庁公安部の内部で当時、何が起きていたのか。図らずも事件に巻き込まれた人たちの思いとは――。

 この冤罪(えんざい)事件について、約1年にわたる取材録をつづる全10回の連載「追跡・公安捜査」を15日から連日午前6時、毎日新聞デジタルに掲載していきます。

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