ヒグマの目撃が相次ぐ町でクマが出没しても町が猟友会に連絡をしない異例の事態となっています。

■ヒグマ目撃も猟友会に「連絡せず」

 ヒグマの駆除を巡り、小さな町が割れています。

北海道猟友会 砂川支部 奈井江部会 山岸辰人部会長
「(Q.きのうクマが出たのは知っている?)けさの朝刊に出ていたので見て知った」
「(Q.町から連絡は?)ない」

奈井江町役場 担当者
「連絡はしていない」

 新たにヒグマが目撃されても町は猟友会に駆除を頼むことはないといいます。両者の間には深い溝がありました。

 現場は北海道の南西部。約4800人が暮らす奈井江町。12日、親子とみられる3頭のヒグマが目撃されました。住宅から300メートルほどの場所で、うち2頭は子グマで木に上っていたといいます。

町民
「去年ごろから街中、住宅地に出たりがあったので正直不安はあるが、猟友会ともうまくいっていない話も聞いているので今後、どうなるのかなと」

 事の発端は4月にさかのぼります。町は猟友会にクマの駆除などを行うチームへの参加を呼び掛けました。その際、猟友会が問題視したのが報酬額などです。

山岸辰人部会長
「高校生のコンビニのバイトみたいな金額でやれ。ハンターバカにしていない?って話」

 町から提示された日当8500円。発砲を伴う場合でも1万300円。この額に納得がいきません。

山岸辰人部会長
「クマの場合、4万8000円。それ以外は1万5000円という報酬額を提示した。彼らは銃を持っていない、牙(きば)と爪だけの特殊部隊。音もなく近付いてくる。その緊張を考えた時にどのようなものか」

 猟友会の奈井江部会は、クマ駆除のチームに参加しないことを町に通告。

 一方で町は報酬の増額も検討していましたが、11日…。
  
奈井江町 三本英司町長
「『結果として断念せざるを得ませんね』と伝えました」

 ヒグマを巡って決裂した町に13日もクマが。果たしてどう対応していくのでしょうか。町は“苦肉の策”を取りました。

■クマ目撃も… 町と猟友会“決裂”

 ヒグマの目撃が相次ぐ奈井江町で13日も…。

町民
「午後2時ごろ、森林自然公園があるんですけど親グマ1頭、子グマ1頭の目撃情報」
「(Q.親子グマだと敏感といいますし?)それはちょっと怖いと思いますね」

 この影響で公園内の道路が通行止めになりました。

 ただ、猟友会は報酬などを巡って町と決裂。クマの目撃情報があっても町は猟友会に連絡しない事態に。住民の安全をどう守るのでしょうか。

三本英司町長
「地域の狩猟免許を持っている人が色んな形で協力していただいている。そういう人たちの力を借りながらやっていきたい」

 町によると、猟友会に所属していないハンター約20人に声を掛け、当面、報酬なしのボランティアとして活動してもらうということです。

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