熱中症予防の避難所となる「指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)」設置が進む中、奈良県橿原市は近く「運動もできる避難所」として近畿最大級の大型商業施設「イオンモール橿原」(曲川町7)を指定する。イオンモール橿原は店内を歩く「モールウオーキング」の1周2・28キロのコースを一般開放しており、涼しい場所で安全に運動して猛暑を乗り切ってもらう狙いだ。
健康のために大型商業施設を歩くモールウオーキングはアメリカ発祥。イオンモール(本社・千葉市)は地域貢献の一環で、全国の店舗でウオーキングコースを開放し、専門家を招いたレッスンイベントも開催している。
一方、近年の新型コロナウイルス禍では、外出自粛の影響で高齢者のフレイル(虚弱)が進行したと指摘されている。モールウオーキングを指導する健康アドバイザーの平川愛子さん(49)は「フレイル予防に運動は不可欠だが、炎天下の野外は熱中症リスクがある。ベンチで休憩したり、飲み物を買ったりすることができるモールウオーキングは高齢者に最適」と話す。
イオンモール橿原も2013年からモールウオーキングイベントを定期開催。イベント日以外もウオーキング目的の来店を歓迎し駐車場も無料のため、実質的に「運動できる熱中症予防避難所」になっている。橿原市は今回、市民に運動を促す観点からクーリングシェルターに指定することにした。
また市は、市民に運動する意欲を高めてもらうための独自の健康ポイント制度も近く導入する。6月8日に住友生命保険奈良支社と「スポーツを通じた健康づくりの推進に係る協定」を結んでおり、スマホアプリで運動量に合わせたポイントがたまり、景品と交換できる住友生命のシステムを活用する方針だ。
市スポーツ推進課の今井大介課長は「民間と連携し、熱中症予防と運動が両立できる場の提供とポイント制度を同時に推進し、市民に健康を届けたい」と話している。【皆木成実】
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