人気漫画の舞台にもなった景勝地で何が起きたのか--。北海道留萌市の女子高校生(17)が旭川市のつり橋から約10メートル下の川に転落、殺害された事件。住民が「治安が悪い印象はない」と話す現場の周辺は、不安に包まれた。一方、容疑者を知る人たちからは「道で会えば、普通にあいさつする。小さいころは家の前の除雪を手伝っていて『頑張る子だな』という印象。最近は見ていない」などという声が上がった。【横田信行、後藤佳怜、金将来】
高校生が転落したのは石狩川にかかる「神居大橋」。JR納内駅から東に約6キロにある「神居古潭(カムイコタン)」地区にある。アイヌ語で、カムイは神、コタンは集落のこと。古くからアイヌの聖地とされてきたという。
神居大橋の周辺は、日中の交通量がそれほど多くない。ただし、日露戦争後の北海道を舞台に金塊を巡る登場人物たちの攻防を描き、アイヌの生活も紹介した人気漫画「ゴールデンカムイ」の作中にも登場するスポットとして観光名所にもなっていた。
現場の近くに住む無職男性(86)は「ニュースを見るまで何も知らず、びっくりした。橋は桜の名所で、子どものころから思い出深い場所。夜中は車通りが減るが、特に治安が悪い印象はない」と話した。
容疑者知る人「明るく、普通の子」とショック
一方、殺人容疑で再逮捕された無職、内田梨瑚(りこ)容疑者(21)は旭川市内で家族と暮らし、近隣住民は「小さいころから活発だった」と印象を話す。事件を受けて動揺が広がる中、最近の様子は「分からない」との声も聞かれた。
近所の人によると、内田容疑者は両親や兄と4人暮らしで、週末に自宅前でバーベキューをする姿が見られたという。
幼少期から知るという70代男性は「家の周りを走ったり、縄跳びをしたりと、外で体を動かしていた」。今年の冬もあいさつを交わしたといい、「悪い子じゃない」と語った。
別の70代男性も「明るく、普通の子」と振り返り、事件にショックを受けていた。一方で「仕事はやっていたかどうか分からない」とも話し、近況は詳しく知らない様子だった。
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