神戸市北区で14年前、高校2年生だった堤将太さん(当時16歳)が殺害された事件で、堤さんの遺族が1審で有罪判決を受けた当時17歳の男性(31)=控訴中=と両親を相手取り、計約1億4900万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁に起こした。父親の敏さん(65)らが12日、神戸市内で開いた記者会見で明らかにした。
1審・神戸地裁判決(2023年6月)は殺人罪に問われた男性に懲役18年を言い渡した。判決によると、男性は10年10月4日夜、面識がなかった堤さんをナイフで複数回刺して殺害した。男性は発生から約11年後の21年8月に逮捕されていた。
提訴は3月1日付。訴状では男性が殺害に関与したことを両親が認識していたとし、男性を転居させることで捜査の長期化を招いたと主張。男性は事件前に同級生をナイフで脅したり、電車に乗り合わせた客に暴行を加えたりしていたことから「暴力の傾向が深刻化していたのに両親が監督を怠った」と訴えている。
父敏さんは会見で「男性には事実を認め、償ってほしい。逃走によって11年もの時間がかかったので、裁判で両親の責任も追及したい」と語った。
遺族側は刑事裁判の記録に基づき、加害者に賠償請求する「損害賠償命令制度」を利用。神戸地裁が23年11月、男性に計約9300万円の賠償を命じたが、男性側が異議を申し立てていた。【木山友里亜】
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