栃木市岩舟町の観光植物園「とちぎ花センター」で、数十年に一度しか開花しないとされる植物「アガベ」が2回目の花を咲かせた。通常は開花後に枯れてしまうといい、職員は「奇跡のさらに上をいく奇跡」と驚いている。
同センターによると、アガベはメキシコなど米大陸の砂漠地帯に自生する多肉植物で、和名はリュウゼツラン。テキーラの原料としても知られる。1世紀に1回だけ花を咲かせるという意味の「センチュリープラント」の異名があるほど開花が珍しく、結実した株は枯れてしまう「一稔性植物」という。
センターでは鑑賞大温室で、鉢植えで栽培しており、2年前に初めて開花した。担当の永島安紀さんによると、枯れるのを覚悟しながらもバックヤードで管理していたところ、今春、放射状に集まった葉の下の茎の部分からひこばえのような花茎を確認。花茎は次々に生えて、先端に複数のつぼみをつけ、先月下旬に黄色い筒状の花が開いたという。
2年前の開花時は、葉の中心からマストのように約2メートルの花茎を伸ばしたが、今回の花茎は20~30センチ。咲き方は違うが、花の形や大きさは変わらないという。花茎は約20本で、今も花やつぼみが残る。永島さんは「仕組みは分からないが、何かきっかけがあったのかも。珍しい花のさらに珍しい姿です」と話している。問い合わせは同センター(0282・55・5775)。【太田穣】
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