東京都の小池知事が12日、3期目を目指し、都知事選挙に立候補すると表明しました。
東京都・小池百合子知事:「東京都知事を務めまして2期8年。世界の動きを止めた新型コロナとの闘い、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催など、歴史に残る数々の都政に、文字通り、全身全霊をかけて取り組み続けた日々でございました。もっとバージョンアップさせた東京大改革3.0を進めていく。その覚悟を持って、7月の東京都知事選挙への出馬を決意いたしました。これからも都民のために、都民とともに、もっともっと都政の発展へと全力を尽くしてまいります」
これまで“現職”が立候補して負けたことのない東京都知事選。
現職の余裕でしょうか。出馬表明後、報道陣の前に姿を見せると、“カメラ映り”をチェックしてから取材に応じました。
東京都・小池百合子知事:「これまでのチルドレンファースト、さまざまな施策をより効果的に都民の皆さんに届くように、それをお伝えしていくこと。そして、災害が頻発しております。一言で言えば、首都防衛ということに尽きるのではないか。防衛というのは人の命であり、人そのものであり、生活であり、そして経済、集積している経済、これを守っていく」
議会を終えた小池知事は、各会派へのあいさつ回りを行いました。まず向かったのは、自身が特別顧問を務める地域政党『都民ファーストの会』。大きな拍手で出迎えられました。同じく小池氏の支援にまわる公明党。小池氏は深々と頭を下げ、さらに、一人一人と握手しました。独自候補の擁立を見送り、支援にまわる自民党では「よろしくお願いいたします」と述べ、退出しました。対立候補の蓮舫氏を支援する立憲民主党に対しては、一礼をしてあいさつを終えました。共産党は、『3期目は阻止する』と言わんばかりに、これまでの8年間を労いました。
告示まで一週間あまりに差し迫ったタイミングでの出馬表明。都知事選は“後出しじゃんけん”が有利とされてきました。
これまでにも、石原慎太郎氏が告示15日前に立候補を表明。前哨戦に入っていた他の候補を圧倒する抜群の知名度で票を獲得しました。作家の青島幸男氏は、出馬表明で話題をさらうと、特に選挙運動をすることもなく、初当選を果たしました。
無党派層が勝敗のカギを握るだけに、知名度や話題性が先行しがちな都知事選。小池氏も、蓮舫氏の動きや世論の風向きを見計らって決意したとみられ、無所属で戦う考えを示しています。
東京都・小池百合子知事:「(Q.“後出しじゃんけん”という声もあるが、他の候補を見ての出馬表明になったのか)候補40人ぐらいおられるので、全部、目配りしているわけではございません」
前回、旗印に掲げた『東京大改革2.0』を引き継ぐことで、これまでの実績を強調しつつ、改革を進める姿勢を打ち出す狙いです。
一方、小池氏に先立ち、出馬を表明していた蓮舫氏もイメージ戦略に余念がありません。
小池氏の出馬表明の約1時間前、あえて日程をぶつける形で、立憲民主党に離党届を提出。無所属をアピールして、幅広い支持を取り込むことを狙います。
立憲民主党・蓮舫参院議員:「とにかく私が挑戦者ですから、現職の方のいろんな余裕とか強さを学ばせていただきながら、挑戦をしていく立場だなと思いを新たに臨みたいと思います」
“七夕決戦”に向けて、事実上の与野党対決の構図が決まりましたが、肝心の政策はというと。
立憲民主党・蓮舫参院議員:「もう少し足すところはないんだろうか、あるいは引くところはないんだろうか」
東京都・小池百合子知事:「変えるべきは変え、守るべきは守る」
立憲民主党・蓮舫参院議員:「東京はもっとよくなります。もっともっとよくなります」
東京都・小池百合子知事:「もっと良くなる、もっと良くする東京」
立憲民主党・蓮舫参院議員:「もっともっとアップデートできる」
東京都・小池百合子知事:「もっとバージョンアップさせた東京大改革」
どちらも具体策は明かさず、お互いの出方を意識した“さや当て”が続きそうです。
立憲民主党・蓮舫参院議員:「(公約は)いま最後のまとめという形で編集を自身がしているところです。来週早々にでも発表できれば」
東京都・小池百合子知事:「むしろ毎日が公約のようなものでございますが、近いうちにまとめていきたい」
都知事選には、広島県安芸高田市長だった石丸伸二氏、自衛隊の元航空幕僚長の田母神俊雄氏、元衆議院議員の小林興起氏など、これまでに諸派や無所属で40人以上が出馬を表明しています。
6月20日告示、7月7日投開票の日程で行われます。
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