東京・世田谷区のマンションで認知症だった妻の首を電源コードで絞めて殺害した罪に問われている80歳の夫が初公判で起訴内容を認め、涙ながらに謝罪しました。

 吉田友貞被告は去年、自宅の寝室で認知症だった妻の節子さん(当時85)の首を両手で絞めた後、電源コードを首に巻き付けて殺害した罪に問われています。

 東京地裁で今月12日に開かれた裁判員裁判の初公判で、吉田被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

 検察側は冒頭陳述で「『財布を返せ』『浮気している』などと被害者から言われ、腹を立てて殺害した」などと主張しました。

 また、吉田被告が事件の前後に「なかなか死ぬ踏ん切りがつきません。でも限界です。やってみます」という携帯電話に残したとされるメッセージを読み上げました。

 被告人質問で動機について問われた吉田被告は、節子さんについて「昔は理路整然としていたのに自分のやっていることが分からなくなり、可哀想に感じた」などと述べました。

 介護ストレスだったのではないかと問われると、「家族なら介護をするのは当たり前じゃないですか。自分ではストレスを感じている認識はありませんでした」と声を震わせながら答えました。

 そのうえで、今の心境について「節子は一生懸命、病気を治そうとして生きようとしていた。それを奪ったことは申し訳ないと思います」と謝罪しました。

 次回は14日に証人尋問が行われる予定です。

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