■“カラスとトビ”客狙い食べ物強奪

 お出掛け日和のこの時期、カラスやトビの被害が急増しています。

海の公園管理スタッフ 遠藤聖和さん
「左端のカラス口に何かくわえている。マテ貝かな?」

 横浜市にある「海の公園」。週末、多くの潮干狩り客でにぎわうなか、すぐそばには“大量のカラス”の姿がありました。

 カラスが狙っているのは人間の食べ物です。この時期、特に増えるというカラス。園内では注意を呼び掛けていますが、それでも…。

 ブルーシートの周りに集まるカラス。カバンの中をついばみ、食べているのはマシュマロのようなもの。その隣ではお菓子の袋をつつき、そのまま持ち去ります。

 さらに…。

海の公園管理スタッフ 遠藤聖和さん
「今、取れる餌(えさ)がないかを探しながら旋回しています」

 特徴的な羽を広げながら空を旋回するように飛ぶのはトビです。今、公園ではカラスに加え、トビが人の食べ物を狙う被害も増えているといいます。

 実際、取材中にも…。

 真上を旋回していたトビ。急降下すると、手元から何かをかっさらっていきました。

■「一番いい肉を…」カラスとトビ 被害急増

 トビに襲われた客は…。

トビの被害に遭った客
「トングで(肉を)取ったらヒュッて横から取られて、トビが取り損ねて(肉が)落っこちた。一番いいお肉…」

 カラスやトビの被害がこの時期に目立つのはなぜなのか。バーベキュー場の近くにはトビの巣があり、カラスもトビも繁殖期ですが…。

東京大学名誉教授 樋口広芳教授
「(繁殖期は)人から食べ物を奪っていくこととは直接関係ない。時期に関係なく、人の食べ物を持ち去っていく」

 この公園をよく訪れるという鳥類学者の樋口教授によりますと、トビが人の食べ物を狙うようになったのは餌付けが原因にあるといいます。

東京大学名誉教授 樋口広芳教授
「人がトビに手から食べ物を与える習慣が行われていた。そうした状況のなかで、トビ自身から狙うようになった」

 また、遠出よりも近場で楽しむことが好まれ、以前よりも人が増えていることも背景にあると指摘します。

東京大学名誉教授 樋口広芳教授
「人が意図せずともトビやカラスへの素晴らしい給餌場になっている。人間側が行動を変えないといけない」

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