大津市の民家で5月、レストラン経営で保護司の新庄博志さん(60)の遺体が見つかった事件で、滋賀県警は8日、近くに住む無職の飯塚紘平容疑者(35)を殺人の疑いで逮捕した。過去の強盗事件で保護観察付き執行猶予判決を受け、保護観察中で新庄さんが担当保護司だった。県警は動機などを詳しく調べる。
逮捕された飯塚容疑者は、事件現場となった新庄さん宅の約800メートル先に住んでいた。近所との付き合いはほとんどなかったとみられ、自宅に引きこもりがちだったという。
飯塚容疑者は両親との3人暮らし。近くの女性は「一家は自治会に入っておらず、交流はない。息子さん(飯塚容疑者)の姿はほとんど見なかった」と語る。現在は無職となっているが、仕事に就いていた時期もあったとされる。
飯塚容疑者は29歳だった2018年10月、コンビニで強盗事件を起こしていた。サバイバルナイフを店員2人に見せて「金入れて」などと脅し、現金2万円を奪っていた。
確定判決によると、アルバイト応募時の採用担当者とのやりとりで、ストレスを抱えたことが強盗の動機とされた。飯塚容疑者はこの頃、日本刀やナイフ、警棒などを収集していたが、事件後に両親の協力を得て処分したという。
判決は当時の飯塚容疑者について「公判開始当初は斜に構えた態度が見られたものの、公判期日を重ねるにつれ、内省を深め、更生への意欲を示すに至った」と評価した。社会内で更生する機会が与えられ、判決で言い渡された執行猶予期間は5年。7月9日で満期を迎えるはずだった。【面川美栄、井手千夏】
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毎日新聞は前科の報道について慎重に判断していますが、今回は保護司と保護観察対象者の関係性を考慮し、事件の重要な要素として報じました。
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