奈良県警=中津成美撮影

 外国人観光客に対し無許可でタクシー営業に類似する行為をしたなどとして奈良県警奈良署などは5日、大阪府豊中市緑丘1、会社経営、高田真嗣容疑者(50)と大阪市西成区長橋3、無職、岡本栄一容疑者(51)を道路運送法違反(白タク行為)容疑で逮捕した。外国人観光客向けの白タク行為での逮捕は県内では初めて。

 奈良署によると、空港がない県内では外国人観光客向けの白タク行為は珍しかったが、コロナ感染拡大に伴う渡航制限が緩和された2022年ごろからは大阪府などから訪れる外国人を乗客にする事例が増えており、県警は取り締まりの体制を強化している。

 逮捕容疑は、5月21日午前9時半ごろ、国土交通相の許可を受けていないのに、共謀して岡本容疑者が運転する車に乗客6人を乗せて大阪市内から奈良市内に送迎し、料金を受け取ったとしている。料金は京都を経由して大阪に戻る分も含めて約14万3500円だったという。岡本容疑者は「間違いありません」と容疑を認め、高田容疑者は「弁護士が来てから話します」などと供述しているという。

 奈良署によると、3月ごろに匿名の男性から「白ナンバーをつけた車が外国人を降ろしている」などと通報があり、奈良市内のタクシー乗り場で張り込むなど捜査を進めていたという。5月21日に岡本容疑者の車から降りてきた外国人観光客に話を聞いたことをきっかけに、今回の逮捕に至ったという。高田容疑者は白タク行為を主業務とする会社を経営していたとみられ、奈良署はSNSなどで外国人観光客を中心に集客していたとみている。【田辺泰裕】

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