沖縄県教育委員会は5月25日、那覇市の県立図書館で、2024年度第1回県教職員採用等説明会「『めんそーれ!』Okinawa教職セミナー」を開いた。教員志望の一般参加者や、キャリア教育の一環で関心を持つ学生ら約50人が参加。教職の魅力や醍醐味(だいごみ)を語る現場教員の声に、熱心に耳を傾けた。
講話したのは宜野湾市立嘉数中学校に勤務する小底和史教諭(51)。大学卒業後に採用され、10年間教員生活を送っていたが、家族の看護で一度離職した。民間企業に勤めていたものの教え子の再会などを契機に、16年ぶりに復職した経緯を説明した。
教員の醍醐味について「成長を一緒に喜んで、共に歩んでいけるのは教員の仕事ならでは」と紹介。子どもたちとの付き合い方など、復職する際には不安要素もあったが「同僚の先生方や保護者が一丸となって『チーム学校』で情報共有して対応しており、仕事は楽しくできている」と充実ぶりを語った。
一度教職から離れたことも「妻と一緒に育児をした経験が、保護者の気持ちに寄り添えることにもつながった」と振り返る。
学校現場で使える心構えの言葉として、「こんなときはどうすればいいでしょうか」というフレーズを紹介。「壁に当たったときには同僚や管理職にこの声かけができれば、必ず解決策は見つかる。学校には教える喜びを感じている人しかいない」と述べ、問題を一人で抱え込まない大切さも説いた。
その他、最近の教育事情や選考試験、待遇や福利厚生の説明などもあった。校種別などに分かれた説明会なども開かれた。
八重瀬町の金城和希さん(26)は「教員が大変なのは知っていたが、それ以上に魅力ある仕事だと思う。現場の声を聞けたのは収穫になった」と述べた。那覇市の真喜志鈴さん(23)は「大学卒業したばかりで社会経験がなく、すぐ教える立場になるのは不安もあった。でも、セミナーで現場の先生たちに質問することで解消できた」と話していた。(社会部・新垣亮)
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