初水揚げされたスルメイカ=函館市で2024年6月5日午前5時10分、三沢邦彦撮影

 道南に初夏の訪れを告げる今季のスルメイカ漁が解禁され、北海道函館市の函館漁港などに5日早朝、初水揚げされた。漁船の水槽からは生きたままの「いけすイカ」が次々とすくい上げられた。函館名物のスルメイカは今季も不漁が予想されており、関係者は漁獲量の増加を期待している。

 1日が休漁日、2、3日は天候不良で出漁を見合わせ、4日に11隻が今季初出港。3隻は水揚げがなく、5日に初水揚げした「いけすイカ」は約113キロ(昨年約860キロ)にとどまった。午前5時半に始まった初競りでは、「いけすイカ」の最高値は1キロ3800円だった昨年の倍以上の同8000円となった。

 市によると、昨季(昨年6月~今年1月末)のスルメイカ取扱量は、前年比231トン減で過去最低となる317トン。1キロ当たりの価格は1344円と初めて1000円を超え、過去最高を記録した。

 道立総合研究機構函館水産試験場は5月19~22日に津軽海峡周辺から秋田県沖にかけて調査。スルメイカの分布密度は「非常に低密度」で、漁獲尾数は01年以降で最も低く、漁の序盤は不漁が見込まれる。卸売業者「函館魚市場」の美ノ谷貴宏営業部長は「価格はご祝儀相場もあると思うが、例年に比べ水揚げは少ない。函館は新鮮なイカを食べに集まる所。夏から秋に向けて増えてくれることを期待し、観光客や市民にイカを楽しんでほしい」と話す。【三沢邦彦】

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