拘置所でおかゆ、減塩料理の強制は違憲なのか――。逆流性食道炎を理由に消化しやすい「軟菜食」しか支給されないのは憲法が禁じる拷問に当たるとして、大阪拘置所で勾留中の男性が5日、1000万円の損害賠償を国に求める訴えを大阪地裁に起こした。男性側は「薬を飲めば通常の食事ができる」と訴えている。
訴状によると、男性は2011年、胃酸が逆流して食道に炎症が起きる逆流性食道炎と診断された。薬を飲めば症状はほとんど出ないが、事件に関与して21年12月から勾留されている大阪拘置所では「薬を出すなら軟菜食を支給せざるをえない」と告げられた。
軟菜食の主食はおかゆ。肉類や揚げ物は大豆製品に置き換えられ、汁物は通常の半分に減塩されている。男性は薬を服用したうえでの通常食を求めたが、拘置所側は拒否した。
これらの対応について男性側は「通常食が食べられるのに、自身が拒んでいる軟菜食を強制している」と主張。拷問を禁じる憲法36条に反していると訴えている。
男性は軟菜食への食欲が湧かず、妻の差し入れなどでしのいできた。拘置所での勾留開始時に57キロだった体重は、約9カ月後に13キロ減ったという。【木島諒子】
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