教職員の欠員などの解消を求める請願と署名1万2183筆を川崎市議会事務局職員に手渡す水野栄子さん(手前中央)=2024年6月3日午後1時27分、和田浩明撮影

 神奈川県川崎市の現職・元教職員らでつくる市民団体「ゆきとどいた教育をすすめる川崎市民の会」は3日、教職員の未配置解消を求める署名1万2183筆と請願を川崎市議会に提出した。市では今年4月初旬の市立学校教員の未充足数が昨年同時期の2倍を超えている。

 記者会見した同会の水野栄子代表(69)は「欠員で子どもの学びが保障されない事態が続いている」と強い懸念を表明した。請願では、病気休職や産休・育休の教職員の代替要員がおらず、教員が過重な負担を強いられていると指摘。「ゆきとどいた教育の実現には、正規職員を確保すべきだ」などとしている。

 市教育委員会によると、4月5日時点の市立小中高校と特別支援学校の教員の未充足数は131・5人で、昨年4月6日の61・5人の2・1倍超に上る。月平均残業時間が過労死ラインとされる80時間を超えた教員の比率は2022年度で19・4%。退職者は特に20~30代で多く、23年度で退職者全体(189人)の3分の2近い121人に達している。【和田浩明】

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