石川県輪島市の重蔵神社で開かれた被災地応援ライブ。左は七尾旅人さん、右は被災したキーボードを弾く桜打泰平さん=2024年4月14日、石川県輪島市で竹中拓実撮影

 被災地を応援しようと、富山県氷見市出身の人気ミュージシャンらが14日、石川県輪島市の重蔵(じゅうぞう)神社で手作りライブを開いた。持ち寄ったキーボードが機材トラブルで使えなくなり、開演直前に呼びかけたところ、被災住宅にあった1台が急きょ届けられ、無事、ライブは盛り上がりを見せた。

 訪問したのは、シンガー・ソングライターの七尾旅人(たびと)さん(44)と、氷見市出身で人気ロックバンド「Suchmos」(サチモス)のキーボード奏者、桜打(さくらうち)泰平さん(31)。

 機材トラブルを受けて開演1時間40分前、輪島の被災者らが避難情報を集約するSNSサイトにキーボード提供を求めるメッセージを掲載。気付いた会社員、柴田聡さん(56)が、一部損壊で避難した両親の家に甥のキーボードがあったことを思い出し、約25分で現場に届けた。

 横倒しになるなどしていたというキーボードだが、音色は完璧。七尾さんが自作の「息をのんで」の歌詞をアレンジして、「輪島! 輪島! 輪島! 君が大好きだよ」と力強く歌い上げ、被災者の歓声が響いた。

 桜打さんは「大ピンチでした。元気付けるつもりが、逆に助けられました」と一言。柴田さんは「音が鳴ったことにホッとした」と笑顔を見せた。【竹中拓実】

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