スマートフォンに届いた緊急地震速報の通知=東京都内で2024年6月3日、池田知広撮影

 3日午前6時31分ごろ石川県能登地方で発生した最大震度5強の地震では、首都圏や近畿圏でもスマートフォンや携帯電話に「地震です」などと緊急地震速報が通知された。しかし、実際の揺れは予測されたよりも小さかった。気象庁は過大評価した詳しい原因を調べている。

 緊急地震速報は、震源近くの地震計で、速くて伝わる弱い揺れ「P波」を検知し、遅れてやってくる強い揺れ「S波」への警戒を促す。速報の警報は、震度4以上の揺れが予測される地域に気象庁が発表し、携帯電話事業者がスマホなどに通知する仕組みだ。

 3日朝の地震では、P波を検知し始めて5・3秒後、富山湾でマグニチュード(M)7・4の地震が発生したと推定。能登で震度6弱~7程度、東京や大阪、東北などでも震度3~4程度が予想されるとして、広範囲に警報を発表した。

 しかし、実際の地震の規模はM6・0だった。マグニチュードは1違うだけで地震のエネルギーは約30倍も異なる。東京や大阪で観測された震度は0~1程度だった。3日朝に記者会見した気象庁の原田智史・地震津波監視課長は過大評価の原因について「短時間に同じ場所で地震が複数発生したことから、緊急地震速報の地震の規模が大きめに算出されてしまったと推測している」と説明した。

 複数の地震が間断なく起きると、地震計が一つの地震と認識できず、規模の大きな地震が発生したと認識するなどして、予想震度を過大に見積もったり、警報が遅れて発表されたりすることがあるという。【垂水友里香】

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