錦帯橋を背景に手縄さばきを披露する鵜匠=山口県岩国市で2024年6月1日午後7時21分、大山典男撮影

 山口県岩国市の国の名勝・錦帯橋上流の錦川で1日夜、観光鵜飼(うか)いが始まった。9月10日まで。

 初日は3隻の鵜舟がかがり火を掲げて川面にこぎ出し、それぞれの鵜舟では、黒装束に腰みの姿で風折れえぼしをかぶった鵜匠が、6羽の鵜につないだ手縄を巧みに操って若アユを追わせた。約60人の招待客が遊覧船4隻に分乗して見守り、鵜がアユを捕らえて水面に顔を出すと、盛んな拍手が湧いた。

 錦帯橋の鵜飼いは江戸時代前期の記録に残る。1952年に観光鵜飼いとして復活され、錦川のアユ漁解禁に合わせて開かれている。運営する岩国市観光協会によると2023年の遊覧船の乗客数は3627人で、24年は4500人が目標だ。

 鵜匠の久貞乾さん(55)は「日常を忘れてタイムスリップした気持ちで、錦帯橋と岩国城を背景に繰り広げられる時代劇のような雰囲気を味わってほしい」と観覧を呼び掛けていた。問い合わせは市観光協会鵜飼事務所(0827・28・2877)。【大山典男】

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