埼玉県川口市でタクシー運転手の男性が拳銃のようなもので撃たれて重傷を負った事件は5月31日、県警が公開手配に踏み切ったわずか2時間半後に事態が急転し、容疑者の身柄が確保された。拳銃を持ったまま逃げていた可能性があり、不安な一日を過ごしていた事件現場周辺の住民からは安堵(あんど)の声が聞かれた。

 強盗殺人未遂容疑で逮捕されたのは、同市栄町3の無職、瀬川好一容疑者(68)。登記簿などによると、瀬川容疑者は川口市内で転居を繰り返し、会社を経営していたこともあったといい、事件現場付近にも土地勘があったとみられる。

 瀬川容疑者がかつて通っていたという川口市内の居酒屋の女性店主は、「口調ははっきり話す人で、多少荒っぽいところがあったが、けんかもなく普通に知人を連れて飲んでいた。いいお客さんだった。(逮捕されたと聞き)そういう人には見えなかった。ニュースも人ごとのように見ていたら、瀬川さんで驚いた」と話した。

 一方、事件現場近くの小学校では、31日も安全確保のため集団登校し、教員や警察官が児童らを見守る姿が見られた。近くに住む30代女性は「拳銃を持っているということで、小さい子供がいることもあって外出が怖かった。すぐに捕まって安心した」と話した。

 県警はこの日、午前11時半に瀬川容疑者の氏名や顔写真を公表して指名手配し、川口市内の自宅マンションを家宅捜索。その後、防犯カメラの解析などから足取りをつかみ、同日午後2時前にJR大宮駅で身柄を確保した。県警は事件に使われたとみられる拳銃の行方などを調べる。【田原拓郎、安達恒太郎】

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