群馬県安中市で31日未明、クマが住宅に入り込み、70代の夫婦を襲いました。
夫(74)は頭部裂傷の重傷、夫を助けようとした妻(72)も骨折するなどの重傷です。
重傷を負った夫妻の息子:「深夜くらいだと思うんですけど、母親に名前を呼ぶ声で起こされて、下に行ってみたら、すでにクマにかまれていて。父は傷口を押さえた状態。私の父は、頭をかまれたみたいで、バスタオルで止血したような状態。『救急車を呼んでくれ』『頭が痛い』と」
今回の現場は、山と森に囲まれてはいますが、住宅もある地域になります。
夫妻を襲ったクマの足跡の長さは10センチ程でした。住居に近づいた目的は、“はちみつ”だったようです。庭でミツバチを飼育していて、その飼育箱が荒らされていたといいます。
重傷を負った夫妻の息子:「ミツバチが出入りする部分が、壊されちゃっている。音がしたものだから、大事にしているミツバチなので、気になって(窓を)普通に開けちゃったんだと思う。クマが飛び込んで来ちゃったという状況だとは思う」
安中市でのクマ出没情報は、先月は3件でしたが、今月は8件。去年より多いペースです。
地元のクマ対策従事者は「ミツバチの巣箱や残飯など、クマのエサになるようなものを家の外に置かないでほしい」とコメントしています。
◆全国で、人が住む場所の近くでクマの目撃情報が相次いでいます。なぜ、このような状況になっているのか、クマの生態に詳しい石川県立大学の大井徹特任教授に聞きました。
大井特任教授は「人が里山を利用しなくなってクマの行動範囲が拡大し、隣り合って生活をするようになった。人や、建物・車などの人工物にクマが触れる機会が増え、人に対する恐れが薄れてきた。人が住む場所には、ペットや家畜のエサ・生ごみ・実のなる樹木など、クマを誘い込む食べ物がたくさんある。山の木の実より栄養豊富で、効率的に食べられるため、味を覚えたクマが人の住む場所に出没するようになったのでは」と分析しています。
今後の注意点については、「5月下旬〜7月は、若いクマ(1〜2歳)が親から離れて移動を始める時期。クマは日中、山で過ごすが、夜間は人が住む場所に降りてくる。夕方から朝方にかけてクマと遭遇する機会が増えるので、その時間帯は特に注意してほしい」としています。
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