国土交通省が入る中央合同庁舎第3号館=本橋和夫撮影

 いすゞ子会社の商用車メーカー、UDトラックス(本社・埼玉県上尾市)がトラックに不適合な装飾を付けるなどの不正改造を繰り返したとして、国土交通省九州運輸局は31日、UD社の熊本工場(熊本市)に対し、自動車特定整備事業の認証と指定自動車整備事業(民間車検場)の指定をいずれも6月1日付で取り消す行政処分をした。UD社は31日、熊本工場を無期限で閉鎖すると発表した。

 九州運輸局などによると、2023年8月までの約2年間で不正改造が65台、不正改造状態での適合証の交付が8台あった。車両の上部にホーンや回転灯を取り付けたり、フロントガラス周辺を飾ったりするなど、いわゆる「デコトラ」(デコレーショントラック)にみられる改造がされているにもかかわらず、車検時だけ取り外して車検後に元に戻す手法で不正を繰り返していたという。同局は、ユーザー側からの要望を工場側が断り切れずに応じていたとみている。

 UD社の原田勇・九州地域統括責任者は31日、福岡市内で記者会見し「多くの方々にご迷惑をおかけし、深くおわびする」と謝罪。「本来はきちんと説明し、正しい形で渡すのが立場。その業務を遂行できなかったのが一番の原因だ」と説明した。【日向米華、平川昌範】

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