行方不明の巡視員について会見で説明する県環境森林部の職員=9日、群馬県庁

群馬県の榛名県有林で巡視中に行方不明になっていた県渋川森林事務所の男性巡視員が9日、遺体で見つかった。捜索中の防災ヘリが同日夕、山中で発見、身元を確認した。

見つかったのは、同県高崎市箕郷町富岡の樋口政司さん(60)。渋川署によると、同日午後3時50分ごろ、榛名山系の相馬山(1403メートル)南東約1キロの榛東村広馬場の山中に男性が倒れているのを発見。防災ヘリの消防隊員がそのままピックアップし前橋市の群馬ヘリポートに搬送、死亡を確認し、身元も判明した。同署で死因や詳しい状況を調べる。

県によると、樋口さんは8日朝から巡視を始めたが、業務終了時刻を過ぎても連絡がなく携帯電話も通じなかったため森林事務所職員が現場に行くと、標高900メートル付近の林道脇に駐車した樋口さんの車を発見した。現場付近は8日午後4時ごろから雨が降り出しており、雨がやんだ9日午後1時半から県警や消防など約30人で捜索していた。

榛名県有林は広さ約400ヘクタール。巡視路は登山道とは異なり幅1メートル足らずの細い道で、危険な場所も数カ所あるという。樋口さんは1日に採用さればかりで、引き継ぎ後の3日から巡視を始め8日が4日目だった。

県によると、樋口さんは8日午後3時に家族にメールで「車内で昼食をとった」と連絡しており、位置情報からメールした場所は自動車のある地点から西へ約1・8キロほど、標高1200メートル。遺体が見つかったのは、この地点から南西約100メートルの斜面だった。

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