「御巣鷹の尾根」の登山道に風車を飾る黒沢完一さん=上野村で2024年5月30日午前9時28分、加藤栄撮影

 乗客乗員520人が犠牲になった1985年の日航ジャンボ墜落事故の現場「御巣鷹(おすたか)の尾根」(群馬県上野村)の登山道に30日、犠牲者の冥福を祈る風車395本が飾られた。初夏の陽光の中、カラフルな風車は時折風を受けながら回った。

 飾り付けは、尾根の管理人の黒沢完一さん(81)と、日本航空社員のボランティアたちが行った。約3時間かけて銘標近くの登山道に風車を飾る台を設置したり、赤や黄、青などの色とりどりの風車を飾ったりした。

「御巣鷹の尾根」の登山道に風車を飾る黒沢完一さん=上野村で2024年5月30日午前10時32分、加藤栄撮影

 風車の設置は2010年ごろ、遺族が「昇魂之碑」の近くに飾ったのが始まりで、15年以降は多くの犠牲者が見つかった「スゲノ沢」付近で行っている。風車は寄贈されたもので、今年は東京と大阪の男性から計60本が届いた。

 黒沢さんは「年々多くの風車が贈られていてうれしい。犠牲者と同じ数の520本まで増やしたい」と話し、「今年も山に多くの人に来てもらい、事故の風化を防ぎたい。遺族の人たちが気持ちよく参拝できるように整備したい」と力を込めた。【加藤栄】

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