朗読劇「真昼の夕焼け」を演じる「横浜夢座」代表の五大路子さん=横浜市緑区の市立鴨居中学校で、2024年5月29日午後2時10分、矢野大輝撮影

 横浜大空襲から79年を迎えた29日、横浜市立鴨居中学校(横浜市緑区)で、女優の五大路子さん(71)が代表を務める横浜夢座が朗読劇「真昼の夕焼け」を演じた。大空襲の日、主人公の少年が偶然居合わせた少女と戦火に包まれる横浜市街を逃げ惑う姿を、五大さんら6人の劇団員が熱演した。

 「真昼の夕焼け」の原作は、詩人の故・筧槇二さんが自身の体験をもとに書いた小説。五大さんは2016年からこれまで、延べ6000人の小中高生に向けて上演してきた。

 鴨居中では1~2年の生徒や保護者ら約380人が鑑賞した。約40分間の劇中には爆撃音や不気味な効果音を織り交ぜ、戦禍の様子を想像できるような工夫も懲らしている。

 2年の伊藤凛さん(13)は「実話を元にした話だから身体にすっと入ってきた。次は本も読んで勉強したい」。2年の渡辺揺音さん(14)は「戦争を二度と起こさないという気持ちを持ってこれから過ごしたい」と語った。五大さんは「これからもっと多くの学校で公演を続け、子どもたちの心の中で平和への思いを持ってもらいたい」と話した。【矢野大輝】

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