滋賀県大津市でレストラン経営の男性が殺害された事件。関係者と別れたおよそ3時間後に連絡が取れなくなっていたことが分かりました。
■レストラン経営男性 自宅で殺害か
柔和な表情を見せる被害者の男性。地元の名士の身に何があったのか。事件の詳細が明らかになってきました。
26日午後4時ごろ、大津市の自宅リビングで新庄博志さん(60)が血を流して死亡しているのを訪ねてきた親族が見つけました。
警察によりますと、新庄さんの上半身には刃物のようなもので付けられた傷が10カ所以上あったうえ、抵抗した際に付いたとみられる傷も確認されたといいます。司法解剖の結果、死因は出血性ショックでした。
近所の人
「いつもバラの手入れをすごくきれいにしていて、優しい人なのかなと思った」
新庄さんが経営していたレストランは店内から琵琶湖が一望でき、美しい景色を眺めながら自然派の創作ランチを楽しめるといいます。
レストランの従業員
「おおらかで落ち着かれた方。トラブルを聞いたことはないし、巻き込まれるような方ではない」
■保護司として少年ら支援も
地元・大津商工会議所で役員を務めていた新庄さん。一方で、「保護司」として、罪を犯した人や非行少年の生活支援などを行っていたといいます。
同僚の保護司
「誰もが取り残されず立派に社会復帰してもらうという大きな目的を持って、強い思いを持って取り組んでいた」
新庄さんはおよそ20年にわたって保護司を続けていたといいます。
同僚の保護司
「非常に真面目で勉強熱心。前向きな性格、そういったことで私は非常に尊敬していた」
■“地元の名士”殺害 10カ所以上の傷
一体、新庄さんの身に何があったというのでしょうか。
警察によりますと、新庄さんには妻と社会人の息子がいますが、現在は一人暮らし。
遺体で発見された時、現場となった自宅の玄関は閉まってはいましたが、施錠されていなかったといいます。また、室内に目立った物色の跡はなかったそうです。
専門家は、傷が10カ所以上あったこと、そして抵抗したような傷があったことに注目します。
元埼玉県警刑事 佐々木成三氏
「抵抗している被害者に対して、執拗(しつよう)な攻撃で殺害していることは殺意が明確であるとともに、最後までやり遂げる強い意志があるというのを感じる。(犯人像は)物取りとか、そういったものではないと思う。被害者をよく知った人物で、殺意がある人物の可能性が高いと感じる」
■空白の3時間?電話つながらず…
新たに、事件直前の足取りも分かってきました。
関係者によりますと、遺体で発見される2日前の24日午後、新庄さんは経営するレストランに滞在していたそうです。午後5時ごろ、従業員に「別の店に行ってから帰宅する」と話したといいます。
しかし、午後8時ごろに従業員が2度電話しても、つながらなくなったというのです。
この3時間の間に何があったのでしょうか。司法解剖の結果、新庄さんはこの日の夜に死亡したと推定されます。
佐々木成三氏
「(自宅に)帰ってきた直後の可能性が高いのでは。被害者の行動を知っていた、帰ってくる時間を知って侵入したことは十分考えられる。その日、被害者が誰と会う約束をしていたのか、誰と連絡を取っていたのか、こういった捜査も必要になってくる」
警察は捜査本部を設置して、およそ110人態勢で捜査しています。
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