富士山関係団体と静岡県などが富士登山の課題を話し合う「安全快適な富士登山推進会議」が29日、沼津市で開かれた。今夏から試行するウェブを活用した登山事前登録システムについて、県は開山1カ月前にあたる6月10日から運用を始めると明らかにした。
事前登録システムは、夜間の「弾丸登山」や軽装登山などのルールやマナーに反した登山を防ぐのが狙い。スマホやパソコンで事前にルートや日時、山小屋宿泊予約の有無などを入力し、マナーを学ぶ数分間の動画を視聴すれば事前登録ができ、QRコードがメールで届く。
富士山では、静岡側3登山道の各5合目や、シャトルバス乗り場がある水ケ塚駐車場、須走多用途広場など計7カ所で係員がQRコードを確認する。事前登録をしなかった登山者は5合目で動画を見たり、チラシを読んだりしてルールを学ぶ。システムは日本語のほか、英・中(簡体字・繁体字)・韓・ベトナム・タイの各言語に対応する。会議で山小屋関係者らからは「5合目で足止めして混乱しないか」「現地で外国人に対応できるのか」などの質問が出た。
一方、山梨県は今夏から富士登山に1日上限4000人の人数制限と通行料2000円の徴収を始める。県富士山世界遺産課の大石正幸課長は「事前登録システムと山梨側の状況を見て、静岡側も利用者負担について来年度以降も検討を続ける」と述べた。【石川宏】
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