建設が進む大阪・関西万博の会場=大阪市此花区で2024年3月11日、久田宏撮影

 2025年大阪・関西万博の海外パビリオンの建設が遅れている問題で、参加国が自前で建設する「タイプA」のパビリオンが当初予定の60カ国から40カ国前後に減少する見通しとなっている。15日、複数の関係者が明らかにした。いまだに十数カ国で建設業者が決まっていないことが理由という。万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)はこれらの国々について、5~6月には協会が建てるタイプへの移行を含めて結論を出してもらい、7月には空いた敷地を芝生にするなど活用方法の検討に入る。

 各国が独創的なデザインを競うタイプAのパビリオンは一番の見どころで、「万博の華」と称される。当初は60カ国が希望していたが、人件費や資材の高騰などで建設業者との契約が難航。ブラジルなど3カ国が協会が建てる簡易型の「タイプX」に移行したほか、スロベニアなど4カ国は協会が建てた建物を複数の国・地域で共同利用する「タイプC」へ変更した。

海外パビリオンの種類

 残る国のうち、4月11日現在で36カ国が建設業者を決め、14カ国が着工に至ったものの、十数カ国は業者が決まっていない。協会はこれらの国について、XやC以外に、簡易テントなどを利用した新たな展示方法を提案して、万博への参加を促す方針。

 関西経済連合会の松本正義会長(協会副会長)は、15日の定例記者会見で「60のうち40とか45建ったらいいんじゃないか」と言及。「あそこ(の面積)は1970年(大阪万博)の半分。意外と狭いので、そういう中にパビリオンが林立していくのは壮大だが、全部建たなくてもいいんじゃないか」と見栄えには影響しないとの認識を示した。

 協会は従来、タイプAの建設工事の終了めどを7月としていたが、今年2月、約3カ月遅らせて10月中旬とするスケジュール感を明らかにしていた。【東久保逸夫、藤河匠、町野幸、妹尾直道】

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