現在放送中の俳優・伊藤沙莉さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」のロケ地として一躍有名になった、名古屋市市政資料館(同市東区)。放送開始後の4、5月(19日まで)の来館者数が、前年の2倍以上で推移している。担当者は「このままいけば年間来場者数の過去最多を更新しそう。ここまで跳ね上がるとは」と驚きを隠さない。
ドラマの主人公は伊藤さん演じる猪爪寅子(いのつめともこ)。日本初の女性弁護士で、後に裁判官を務めた三淵嘉子(みぶちよしこ)(1914~84年)がモデルだ。
ドラマで東京地裁として登場する資料館は、22年から79年までは名古屋高裁・地裁として実際に使われていた。さらに三淵も女性初の判事として52~56年、当時は名古屋地裁だった市政資料館で勤務していた。
放送開始以降、来館者数がうなぎ登りに。4月は1万3320人と前年同期(7359人)の約1・8倍に。5月に入るとさらに伸び、19日までで1万2879人と前年同期(4791人)の約2・7倍まで跳ね上がった。昨年度は1度しかなかった来館者1000人超の日が、今年度は既に9回を数えている。
過去最多だった昨年度の年間来館者数10万4542人を超える勢いに、川口輝佳副館長は「ここまでとは思ってもみなかった。一過性のものに終わらせない取り組みをしていく」と話す。
市役所も人気
一方、主人公が通う大学などのロケ地となった市役所本庁舎でも、ロケ現場を探す人の姿が増えている。市役所正面の案内所では、そんな人のために、庁舎のマップと共にロケ現場を記したチラシが配布されている。
朝ドラ人気にあやかり、両施設の魅力を発信しようと、市は初めて両館を巡る特別ガイドツアーを6月15日に開催すると決めた。朝ドラスポットや国の重要文化財に指定されている両館の特徴を伝える。ロケ現場となった普段非公開の場所も案内する。川口副館長は「テレビで見た場面と実際の光景を見比べ、建物の魅力を知ってほしい」と呼びかける。
ツアーは午前と午後の2回で、定員は各40人。応募者多数の場合は抽選。ウェブ上の「名古屋市電子申請サービス」から6月6日までに申し込む。【川瀬慎一朗】
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