タブレット端末の無償貸与や無償修理などを徳島県教育委員らに提案する四電工徳島支店の田中顕支店長(中央)ら四電工幹部=徳島市の徳島県庁で2024年5月28日午前10時44分、植松晃一撮影
写真一覧

 徳島県立高校などに配備されたタブレット端末で故障が相次いでいる問題で、納入業者の「四電工」(高松市)が28日、同県教育委員会に対し、最大3500台の無償貸与や無償修理に応じると提案した。同社は3月にも3500台を無償貸与しており、合計7000台に達する見通し。中川斉史県教育長は委員会後、「(提案を)受ける」と表明した。

 28日の定例教育委員会には同社徳島支店の田中顕支店長が出席し、トラブルの続発を陳謝した。「(生徒の教育機会が一部制限されており)社会的、道義的責任を果たす」と述べ、追加の無償貸与などの対応を提案した。

 提案では、中国・レノボ社製の端末500台を返却期限を設けず「無償貸与」したうえで、電池トラブルを起こしている端末2000台については無償で電池交換する。学校現場で端末の不足が解消しない場合は、最大1000台の電池交換を追加で実施するという。田中氏によると、無償の電池交換は早ければ6月末ごろから始め、2000台のみなら7月中にも完了する。無償貸与500台の納入は7月末の見通し。

 県は2020年度、県立高生徒への「1人1台」の配備を目指し1万6500台のタブレット端末を計約8億円で購入した。ところが、23年夏ごろから内蔵電池が膨張したり、電池劣化で稼働時間が1時間に満たない端末が相次いだりしてトラブルが続出した。落下して破損した端末も含め、24年5月20日時点の故障機は1万117台(61%)に達した。

タブレット端末の無償貸与や無償修理などを徳島県教委に提案した後、報道陣の取材に応じる四電工徳島支店の田中顕支店長(中央)ら四電工幹部=徳島市の徳島県庁で2024年5月28日午前10時59分、植松晃一撮影
写真一覧

 3月の四電工による3500台の無償提供に加え、県予算で確保した3500台が学校現場に投入されたが、なお1400台以上が不足している。県教委は端末の追加調達で8月中の解消を目指す。

 故障の原因については、四電工と県教委の双方が第三者機関での電池調査を実施したところ、いずれも製造上の問題点はなく、学校での保管状況も含め、複合的な要因で故障したとの分析結果だった。【植松晃一】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。