大阪公立大で保管されていた猛毒のシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)などが紛失した問題で、大阪府警は28日、同大大学院修了生で製薬会社員の竹林尚志(まさし)容疑者(30)=滋賀県甲賀市=を窃盗容疑で逮捕した。「間違いありません」と容疑を認めているという。
逮捕容疑は、在学中だった2023年8月上旬、杉本キャンパス(大阪市住吉区)にある工学研究科の研究室で、保管されていた青酸ソーダを盗んだとしている。
公立大は16日、研究室で、瓶に入った青酸ソーダとシアン化カリウム(青酸カリ)をそれぞれ25グラム紛失したと発表。これらの薬品を入れた鍵付きの劇毒物保管庫は、事前登録した教員や学生が職員証や学生証を使うなどして開けることができ、氏名や日時が記録される仕組みだった。
府警捜査3課によると、竹林容疑者は当時、鍵の使用を認められていた。調べに対し「青酸ソーダは、スプーン2杯分くらいを袋に小分けして持ち帰った」と供述。その理由について「父に就職のことを言われるのが嫌で、殺害するためだった」と説明したが、実行した形跡はなかった。残りの青酸ソーダと青酸カリは研究室内で捨てたと話しているという。【斉藤朋恵、川地隆史】
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