人種などで対象を選ぶ「レイシャル・プロファイリング」による職務質問は憲法に違反するとして、男性3人が損害賠償を求めた裁判で国などは争う姿勢を示しました。

 外国出身で、現在は日本国籍や永住権を持つ男性3人は、人種や肌の色などを理由に対象を選ぶ「レイシャル・プロファイリング」によって職務質問を受けたのは差別にあたり、「法の下の平等」を定める憲法に違反するとして、国や東京都、愛知県に対し合わせて990万円の損害賠償を求めています。

 東京地裁で15日に開かれた第1回口頭弁論で、国などは「警察において人種、肌の色、国籍、または民族的出自に基づいて職務質問を行うという組織的な運用が存在することはない」などとして訴えを退けるよう求めました。

 一方、8歳で来日し、13歳で日本国籍を取得したパキスタン出身の男性は日本語で意見陳述し、「大学生の時から頻繁に職務質問を受けるようになった」「海外にルーツを持つ人に対する偏見が社会と警察内に蔓延(まんえん)しているのではないか」などと訴えました。

 男性3人の弁護団によりますと、「レイシャル・プロファイリング」の違法性を問う裁判は初めてとみられます。

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