陸上自衛隊で最大規模の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」が26日、静岡県の東富士演習場で行われた。島しょ部に侵攻する敵を迎え撃つ想定の下、約2100人が参加。約68・4トン(約8億4000万円相当)の弾薬を使う予定で、戦車・装甲車約50両、火砲約40門などで富士山の裾野に向けて射撃を繰り返した。
陸自の輸送機オスプレイも登場した。昨年11月の鹿児島県の米軍機墜落事故を受けて飛行を一時見合わせていたが、この日はごう音を立てて演習場に飛来。上空から地上へと部隊を展開させた。より実戦的な内容を目指し、作戦行動を妨害する敵役を出没させ、火砲で制圧する場面もあった。
この演習は、陸自富士学校の学生らが火力戦闘などを学ぶ教育活動の一環として毎年実施。一般公開が人気だったが、教育に注力するとの理由で昨年度から取りやめた。一方、定員割れが続く自衛隊の厳しい採用状況を踏まえ、志願者と保護者、学校関係者らの招待を前回の約4倍、計約2000人に増やした。
昼夜にわたる演習の様子をコンパクトにまとめた解説付き動画が今後、インターネット上で公開される。【松浦吉剛】
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