「アウトクロップ」の栗原エミル社長(右から2人目)、松本トラヴィス取締役(右端)らスタッフの面々=カフェ「マチノミナト」で2024年5月24日午前11時20分、高橋宗男撮影
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 秋田市内でミニシアター運営などを手がける映像製作会社「アウトクロップ」が複合拠点「アトレデルタ」(Atle DELTA)をグランドオープンした。栗原エミル社長(27)は「『人』『技術』『企て』が集まる施設。国籍や出身地、年齢などバックグラウンドにとらわれずに人々が集い、今までにない価値を生んでいく拠点としたい」と話している。

 全国最速ペースで人口減少が進む秋田県。栗原さんらは「地域の衰退を見過ごしにはできない」として複合拠点整備に乗り出した。「社会課題解決」「共創」「国際交流」をキーワードに、地域の人たちや国内外からのバックパッカー、移住希望者、起業したい若者ら、多様な人々が集まることで新しい流れが生まれる拠点を目指す。

ドミトリータイプはカーテンで入り口を仕切る半個室。ベッドとサイドテーブルのみだが、1泊3500円からとリーズナブルだ=秋田市保戸野原の町で2024年5月24日午前10時57分、高橋宗男撮影
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 秋田市保戸野原の町にある築約40年の賃貸マンションをフルリノベーションした施設は、1階のカフェ、2階の宿泊スペース、4階のオフィススペースからなる。

 4階の「デルタ・クリエーター・ガレージ」にはアウトクロップがオフィスを構えるほか、6社分のレンタルオフィススペースがあり、既に県内外の5社が入居。ほかにも滞在者やフリーランスの人が使えるコワーキングスペースや、リモート会議などに利用できるブースもある。イベントや展示会などの利用も想定している。

 2階の「デルタ・ホステル」は、相部屋形式となるドミトリータイプ(半個室)と、個室のツインルーム、ダブルルーム、シアタースイートルームの4タイプに最大30人が宿泊可能。ドミトリータイプは1泊3500円からとリーズナブルだ。すでに竿燈(かんとう)まつりシーズン(8月)の外国人観光客の予約も入っているという。

施設の玄関口となるカフェ「マチノミナト」=秋田市保戸野原の町で2024年5月24日午前11時12分、高橋宗男撮影
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 1階のカフェ「マチノミナト」は、施設の玄関口に位置づけられており、宿泊客に朝食を提供するほか、日中はカフェ、夜はパブとして、多様な人たちが触れあう空間となる。6月2日までのオープニングウイークは午前11時~午後10時の通し営業。その後はカフェが午前11時~午後5時(水曜、木曜定休)、パブは金曜と土曜の午後6~10時の営業となる。

 カウンターやベンチには秋田杉の一枚板が使われており、メニューにも地域と世界の食文化をアレンジする工夫を凝らしている。現在はベトナムの麺料理「フォー」を秋田風にアレンジした「比内地鶏のフォー」を提供中。比内地鶏でだしを取り、ナンプラーの代わりにしょっつる、パクチーの代わりにセリを使う一品で、同社取締役の松本トラヴィスさん(26)は「ものすごくおいしいので食べてみてほしい」とPRしている。【高橋宗男】

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