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 多くの外国人観光客が集まっているのは、首都高速道路の大黒パーキングエリアです。「車好きの聖地」として知られていますが、現在は車が好きな外国人の観光スポットになっていて、迷惑行為も相次いでいます。

■外国人のお目当ては「日本のスポーツカー」

大黒パーキングエリア この記事の写真

 横浜市にある首都高・大黒パーキングエリア。国産スポーツカーに海外のスーパーカー、さらにはアニメのキャラクターがラッピングされた「痛車」と呼ばれる車など、熱狂的なドライバーが集うことから“車好きの聖地”として知られています。

日本のスーパーカー目当て

 そんな大黒パーキングエリアに最近ある異変が起きています。

利用者
「夜はたぶん、6割以上は…6割7割は外国の方になる」
「いつも金曜と土曜の夜は外国人であふれかえっている感じです。最近は一番盛り上がっているというか、ここ2〜3カ月くらいが一番外国の方が多いです」

 多くの外国人観光客が押し寄せ、観光地化しているといいます。土曜日の夜のパーキング内は、外国人観光客の姿が目立ちます。

アイルランドからの観光客
「ずっとここに来たかったんだ。やっとそれが実現したよ」 イギリスからの観光客
「子どもたちが見る夢のようだ。とてもアメイジングな雰囲気だね」

 彼らのお目当ては、日本のスポーツカーです。

イギリスからの観光客
「RX-7」 アイルランドからの観光客
「スカイラインGT-R」

 日本のスポーツカー目当てで、大黒パーキングエリアに来たといいます。

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■迷惑行為がもたらす“無法地帯化”

■迷惑行為がもたらす“無法地帯化”

カリフォルニアでのイベント

 そのきっかけとなったのが、アメリカ・カリフォルニア州で開催された日本車のイベントです。芝生の上にずらりと並ぶ色とりどりの車。日産・トヨタ・マツダなど、日本のスポーツカーが並んでいます。

 耐久性や走行性能の高さから日本のスポーツカーが熱狂的な人気を集めていて、最近では映画「ワイルド・スピード」などの影響もあり、人気に拍車がかかっているといいます。

イベントを主催する山口浩司さん アメリカに在住 イベントを主催
山口浩司さん
「15歳の息子がいるが、『パパ“DAIKOKU”行きたいよ、連れて行ってよ』って言われました」 妻・輝子さん
「私たち教えたことがなかったんですけど、やっぱり情報が入ってくるらしいです」

 映画にも登場した大黒パーキングエリアが、若い世代を中心にSNSで話題になっているといいます。

山口浩司さん
「日本人が『ディズニーランドに行くんだ』という感じだと思うんですよね。アメリカの車好きの人は“DAIKOKU”に見に行かなければならない」 “日本車ファンの夢の国”

 「日本車ファンの夢の国」とも言える大黒PAを訪れた外国人観光客は、外国人向け観光ツアーに参加して訪れたといいます。

メキシコからの観光客
「中学生の時にビデオゲームで大黒PAを知ったんだ。『グランツーリスモ』や『イニシャルD』『湾岸ミッドナイト』とか」
「(Q.今夜、大黒を見ていかがでした?)感動的だったよ」
「ここはツアーの2カ所目なんだ。(1カ所目は)おもちゃ屋に行っていろいろな車を見たよ」
「(Q.そのミニカーは?)日産のスカイラインGT-Rだよ。今のところ自分が買えるのはこれだけ」

 フランスから来た親子は「2分だけだよ」と話し、インタビューの時間さえも惜しい様子です。

フランスからの観光客
「(Q.来て見てどうか?)とても素晴らしいよ。フランスでは、こうした場所を見つけるのは難しいからね」

 利用者の男性も「外国人観光客からよく声を掛けられる」といいます。

1年前から通う大黒PAの利用者
「私も外国の方とよくお話をするんですけど、日本のスポーツカー、そういうのを見にわざわざ来られているという方が大半」 違法改造車も

 午後8時過ぎ、外国人観光客はさらに増え、駐車場内は人であふれかえります。

撮影を続ける外国人観光客も

 爆音を響かせ、派手な電飾を施した違法改造とみられる車なども増え始め、パーキング内は異様な雰囲気に。この様子をカメラに収めようと、車を取り囲み撮影する外国人観光客。

障がい者用駐車スペースの占拠

 しかし、撮影に没頭するあまり、障がい者用の駐車場を占拠してしまう迷惑行為も。入り口付近では、縁石の上に多くの人が集まり入ってくる車を待ち構えます。

警察
「縁石に座られている方、車危ないので車両への移動お願いします」
「座っている方、車両への移動をお願いします」

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■タクシーで訪れるも…

■タクシーで訪れるも…

迷惑行為も

 迷惑行為は他にも…。大黒パーキングエリアは首都高から車でのみ入ることができ、一般道から歩いて入ることはできません。

 しかし、足をかけてフェンスをよじ登る外国人男性。その奥では、トラックが猛スピードで走り抜けます。男性はフェンスを乗り越え着地し、そのまま歩いていきます。

撮影者
「とても腹が立ちましたが、彼は外国人観光客で、これが迷惑行為だとは理解していなさそうでした」 不法侵入も

 こうしたパーキングエリアへの不法侵入は確認されているだけで、すでに22件に上っています。

 さらに、パーキング内をフェンス越しに覗き込む人影。すると、フェンスに足をかけ登り始めます。

首都高が注意喚起

 首都高が注意喚起のためネットに公開した映像には、パーキングエリアに侵入する外国人の姿が捉えられています。

相次ぐ侵入

 ここは歩行者が入ってはいけない危険な場所。こうした立ち入り禁止エリアへの侵入も相次いでいるといいます。

 取材中にもフェンスの外をうろつく人影が…。 近付くと、フェンスの外から2人の外国人観光客がパーキング内を見つめています。

 男性たちのすぐそばには、英語で「大黒パーキングエリアは歩行者立ち入り禁止」と書かれたブロックがありました。

デンマークからの観光客
「(Q.どうやってここまで来た?)バスと電車で来たよ」

 男性たちのすぐそばには、英語で「大黒パーキングエリアは歩行者立ち入り禁止」と書かれたブロックがありました。

デンマークからの観光客
「歩行者の立ち入りが禁止されているとは知らなかった。調べが足りなかったみたいだ。次回はツアーに参加して、ここに来たいと思うよ」  タクシーに乗って大黒PAへ

 徒歩で入れないことから、タクシーに乗って大黒パーキングエリアを訪れる外国人観光客も多いといいます。

タクシー運転手
「行き先が大黒PAになっている。ここは去年くらいから結構、名所になっているんじゃないですかね」

 しかし、パーキング内でタクシーを降りてしまうと、帰る際の手段に困るといいます。

タクシー運転手
「結局、ここで降ろしちゃうと、ここって高速道路じゃないですか。ウーバーとかアプリで呼んでも、(週末は)台数少ないし」

 そのため、客が帰るまでの約1時間待ち続けるというタクシー運転手。

タクシー運転手
「ずっとメーター入れっぱなしだと悪いんでね。自分も休憩がてらみたいな形で、1回リセットして回送にしている」

 そう話す最中にも…。

タクシー運転手
「今、タクシー来ましたけど、あの方ここで降ろすんじゃないですか。降ろしちゃうと、これでタクシー行っちゃったら、外国の方はタクシーに乗れないと思うんですよね。あぁ行っちゃいましたね…」

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■“まるでモーターショー”が…突然の閉鎖

■“まるでモーターショー”が…突然の閉鎖

まるでモーターショー

 暗くなると、車も外国人観光客もさらに増え、まるでモーターショーのようです。しかし、突然の閉鎖…。

パーキングエリアの閉鎖 警察
「車両を移動するようご協力をお願いします。大黒パーキングエリアは20時30分をもって閉鎖しております」

 警察によると、本来の目的以外で利用する客が増え、写真撮影などによる危険行為があった場合、安全を守るためにパーキングエリアを閉鎖するといいます。

無視される呼び掛け

 サイレンが鳴り響き、パーキング内には物々しい雰囲気が漂います。車は次々と立ち去りますが、警察の呼びかけを無視して撮影を続ける人の姿も見られました。

 突然の閉鎖に、外国人観光客はこのように話しました。

中国からの観光客
「(Q.閉鎖のことは?)知りませんでした。ここに8時に着いて、来るのが遅かったと気付きました。もっと早い時間に来るべきでした」 イタリアからの観光客
「(Q.閉鎖することは?)いいえ、サイレンの音を聞いて知ったんだ。なぜ、そんなこと(閉鎖)をするのか分からないよ」

 さらに、この男性にはある問題がありました。タクシーから降りてきた男性はタクシーを手放したため、帰る術がなくなり、パーキング内に取り残されてしまいました。

 配車アプリを使って、タクシーを呼びますが、パーキングエリアが閉鎖されてしまったため、タクシーが入ることができません。

イタリアからの観光客
「(Q.ちゃんと、ここに来てくれそう?)そう願うよ。さもなければ、どう出たらいいのか分からないよ」

 探し続けるも、タクシーは来ず…。途方に暮れた男性は、助けを求めて警察のもとへと歩いていきました。

首都高速株式会社 及川裕介さん

 首都高の担当者は、次のように話します。

首都高速株式会社 及川裕介さん
「大黒PAをたくさんの方にご利用頂くことは大変ありがたいと考えているが、PAは本来休憩施設であるため、お客様のご利用の妨げとなる長時間利用など迷惑行為はご遠慮いただきたい」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年5月24日放送分より)

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