5000人に交付された「北九州市自転車運転免許証」=北九州市八幡東区で2024年5月23日午後0時10分、成松秋穂撮影

 一時停止して、右、左、右後ろ――。北九州市が小学生以上を対象に交付している「自転車運転免許証」の交付者が23日、5000人を突破した。

 免許証の交付は、子どもの頃から交通安全への意識を高めてもらおうと2006年度に開始。自転車の安全な乗り方や交通ルールについて受講後に学科と実技の試験を受け、合格すると顔写真入りの免許証カードが交付される仕組みだ。

 北九州交通公園(小倉北区井堀5)内の市立交通安全センターの指定管理者であるNPO法人I-DO(アイディオ)の指導員が、同公園や小学校で講習会を開いている。

自転車免許講習会で、一時停止と左右の安全確認の実技試験を受ける児童ら=北九州市八幡東区で2024年5月23日午前11時55分、成松秋穂撮影

 この日は八幡東区の市立八幡小4年生を対象に、八幡東署交通課と連携した出前授業を実施。学科試験は「自転車は車、歩行者どちらの仲間か」などの二択問題10問で、実技試験は自転車に乗り、一時停止と左右の安全確認ができているかチェック。自転車に乗れない子どもも手で押して試験を受け、講習会に参加した33人全員が合格し、その場で撮影した顔写真入りの免許証を受け取った。

 大藤聡真さん(10)は免許証を手に「すごい」と笑顔。「どの歩道も自転車で走って良いのは12歳までと初めて知った」と語った。

 県警によると、2023年に県内で起きた自転車事故の当事者は10代が約3割を占め最多という。I-DOの稲富洋子園長代理(54)は「小学生のうちに交通安全の意識を高めてもらうことで事故を減らしたい。交通ルールは知っていても、意識しなければ安全運転は難しいと気づいてもらえたら」と話した。

 交通公園での自転車運転免許講習会は毎月第3土曜開催。事前申込制。市立交通安全センター(093・652・0169)。【成松秋穂】

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