4人が死亡しているのが見つかった建物付近に集まる消防隊員や警察官ら=東京都品川区で2024年5月23日午後2時55分、手塚耕一郎撮影

 23日午後1時半ごろ、東京都品川区戸越2の2階建て住宅で、住人の親族から「家族が自宅の室内で死んでいる。すすだらけになっている」と110番があった。警視庁捜査1課によると、1階の寝室で住人の職業不詳、高波(たかなみ)冬美さん(37)と、高波さんの長女で小学校1年の後藤鈴(りん)さん(6)、いずれも保育園児で次女の玲(れい)ちゃん(3)、長男の信(しん)ちゃん(2)が死亡しているのが見つかった。

 母子4人は首や胸に刃物で刺されたり、切られたりしたような傷があった。家の中からは刃物が見つかった。1階の部屋の床3平方メートルが焼けており、40代の父親も煙を吸い込み喉にけがをして、病院に搬送された。

 住宅は施錠されており、室内には家族以外が侵入した形跡は無かった。警視庁は4人の死因を調べるとともに、父親の回復を待って事情を聴く方針。

4人が死亡した住宅

 家族は両親と子どもの5人暮らし。両親は最近離婚していたが、家族は同居を続けていたという。

 玲ちゃんと信ちゃんが通う保育園から23日に、登園していないと、高波さんの60代の母親に連絡があった。母親が現場の住宅を訪れたところ、施錠されて応答がなかったという。その後、家に入って寝室で家族5人が倒れているのを見つけ110番した。

 現場は都営浅草線戸越駅から東に約350メートル。近くに戸越銀座商店街がある住宅や商店が建ち並ぶエリア。

 近所の女性は「お父さんが子どもを自転車で送り迎えしているのを何度か見たことがあり、子煩悩な印象だった。仲の良さそうな家族に見えた」と振り返る。

 現場の住宅の近くに住む男性(51)も、亡くなった子どもたちが、両親と一緒に自転車に乗り、ボールを持って公園に遊びに行く姿を覚えている。鈴さんは、この春に小学校に入学したばかりで「友達がいっぱいできてうれしい」と話していたという。男性は「明るく活発で、一昨日の朝も『行ってきます』と元気にあいさつしてくれたのに」と悲しんだ。【岩崎歩、森田采花、原奈摘、田中綾乃、安藤いく子】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。