直方市庁舎の家宅捜索に入る福岡県警の捜査員=福岡県直方市殿町の直方市役所で2024年5月23日午後7時6分、井土映美撮影

 福岡県直方市発注の浄水施設管理業務を巡り、特定の業者を下請けとして入れるよう便宜を図った見返りに、ゴルフ用品など約140点(約90万円相当)を受け取ったとして、県警は23日、市水道施設課浄水係係長、阿部智明容疑者(49)=八幡西区星ケ丘=を収賄容疑で逮捕した。

 また、贈賄容疑で直方市の上下水道設備工事「イオハラ設備」役員、庵原(いおはら)良修(よしのぶ)(54)=同▽福岡市早良区の設備資材販売「共立機工」役員、桑原雄三(52)=同区有田▽同社社員、永渕徹(40)=粕屋町酒殿――の3容疑者を逮捕した。県警はいずれも認否を明らかにしていない。

 逮捕容疑は、浄水施設管理業務を受注した業者に対し、阿部容疑者が、業務の一部である除草工事の下請けにイオハラ設備を推奨。庵原容疑者は見返りとして阿部容疑者に対し、2022年4月下旬~23年3月中旬、桑原、永渕両容疑者を介して複数回、ゴルフ用品や釣り具、パソコン機器などを贈ったとしている。

 捜査2課によると、阿部容疑者は21年4月に同係長に就任。庵原容疑者とは以前から業務を通じて知り合いだったという。阿部容疑者が求めた物品を桑原、永渕両容疑者が用意し、阿部容疑者が市役所などで受け取ったとみている。

 直方市の大塚進弘市長は記者会見で「市政に対する信用を著しく失墜させた。市民の皆様方の信頼回復に努めてまいりたい」と陳謝した。【佐藤緑平、井土映美、岡村崇】

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