強烈な臭いを放つカメムシが、全国各地で大量発生。平年の280倍を超える地域まで出ている。そのカメムシによって、果物に被害が出ている。
■玄関先に…例年の数百倍も
カメムシ この記事の写真 住民「いますねここ。やだ、こんなに」
茨城県水戸市の家の玄関先にいたのは、たくさんのカメムシだ。置かれていたグミの木の匂いにつられてなのか、10匹以上が確認された。
住民「(Q.去年はこんなに多かったですか?)いえ、ここでは見ませんでした」 平年の280倍のカメムシが確認した場所も
実は今、強い臭いを放つカメムシの大量発生が全国的に起きている。
熊本県宇城市が先月下旬に行った観測では、平年の280倍のカメムシが確認されたという。
カメムシ対策グッズの需要も高まっている全国的なカメムシの増加で、ホームセンターにはカメムシ対策グッズを買い求める人の姿が多くなっている。
山新グランステージ水戸 ホームセンター菊池大貴副店長
「かなりカメムシが多く発生しているようで、駆除したりという形で、一般のお客様がよくご購入されています」
カメムシ対策グッズを買いに来た人は、次のように話す。
県内在住の人「今朝、家の中にいて。ちょっと大変だったんで、買いに来ました」
一方、カメムシの大量発生に、深刻な打撃を受けているのは果樹農家だ。
川原井観光果樹園 川原井正浩さん「全滅、がっかり。農家泣かせ。大変…」
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■農家悲鳴…果樹園の被害拡大■農家悲鳴…果樹園の被害拡大
川原井観光果樹園 川原井正浩さん 川原井さん「今年は、もうひどい。試作で、去年あたりは、もう大量にできたんですけど。(今年は)カメムシにやられちゃって」
こうなげくのは、水戸市でブドウやナシを育てる川原井さん。今、全国的に大量発生しているカメムシの被害に遭った。
強烈な臭いを放つことで知られるカメムシだが、ブドウなどの果汁を好み、果実に被害を及ぼす害虫でもある。
関東5県では大量発生が予測されることから、果樹農家などに対し、速やかに対策するよう「カメムシ注意報」が出された。
カメムシが果汁を吸ったモモ(1) カメムシが果汁を吸ったモモ(2)カメムシが吸ったモモの実を見ると、果汁が出てしまったり、くぼみができてしまったりしていることが分かる。
収穫を待たずに6本すべての木が被害に8月の出荷に向けて育ててきたモモだが、収穫を待たずに6本すべての木が被害に遭ったという。
そして、成長がこれからというブドウの栽培については、次のように話す。
川原井さん「困るよね、生産者にとっては。(ブドウは)粒が大きくなる処理が、もう始まる時期なんで。そうすると、もう大変かな。大きくなっちゃってからではまずいんで、頻繁に防除するしかない」 小林果樹園 小林貞夫さん
また、別の果樹園でも…。
小林果樹園 小林貞夫さん「リンゴの実をみんな吸われちゃうんです。素直に育たないで変形しちゃう。商品化できなくなっちゃう」
「(Q.毎年、多いですか?)いや、今年は異常繁殖」
リンゴなどを栽培する小林さんの果樹園では、カメムシの大量発生のため、今後、農薬散布の回数を平年より2割ほど増やさざるを得ないという。
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■大量発生の要因と対処法■大量発生の要因と対処法
カメムシ大量発生の要因なぜ、カメムシが全国各地で大量発生しているのか。その要因について見ていく。
昆虫に詳しい南九州大学の新谷喜紀教授は「去年、カメムシの餌(えさ)となるヒノキの実などが多く、生育が良くなり数が増えた。さらに、普段なら冬に一定数減るが、暖冬のためか、多くがそのまま越冬でき、増加につながっている」と分析。
また、「今年も夏の生育条件や、暖冬など生存に適した条件が続くなら、来年は今年もしくは、それ以上のカメムシが大量発生することもある」と話す。
そして、臭いを出すカメムシだが、新谷教授によると、その臭いで仲間を呼び寄せる習性があるという。そのため、数匹でもいれば、早めに対処したほうがいいと話す。
対処法では、どのような対処法があるのだろうか、新谷教授は「家の周りに集まるのを防ぐには、ホームセンターなどで売っているカメムシ専用の忌避剤(きひざい)や殺虫剤が、一番の対処法」だという。
また、「そういったものがなければ、カメムシは臭いを放つ可能性があるので、直接、指などでふれるのは避け、ペットボトルのような容器を半分に切って、そっと追い込んで捕獲することなども有効」と話している。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年5月20日放送分より)
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