米国が14日に臨界前核実験を実施したことを受け、原爆資料館(広島市中区)は19日、最後に実施された核実験からの日数を示す「地球平和監視時計」を修正した。バイデン米政権下の2021年9月16日の実験から「976日」と表示されていたが、「5日」へ改めた。
多くの来館者が見守る中、石田芳文館長が時計をリセットする機器を操作した。石田館長は「核兵器廃絶を訴えてきた被爆者や広島の思いを踏みにじる行為。大変残念で、強い憤りを覚える」と述べた。
この日は、G7広島サミットの開幕から1年。開館した「G7広島サミット記念館」には、バイデン大統領が残した芳名録のレプリカが展示され、「世界から核兵器を最終的に、永久になくせる日に向けて共に進もう」と記されている。
この事に触れた湯崎英彦知事は「矛盾するようで失望する。核兵器のない世界へ努力していこうという中で、逆方向に向いていることが多々ある。努力して進めていかなければ、いつか悲劇が起こってしまう」と話した。また、松井一実市長は「理想を持つ心があるのであれば、『大変なことになるのでは』と皆を不安にさせるような行動は慎んでほしい」と求めた。【根本佳奈】
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