年齢や性別、人種や国籍、宗教などにかかわらず、一人一人の個性を尊重する理念「DEI」をテーマにしたセミナーが17日、松山市の愛媛銀行研修所であった。日本航空(JAL)西日本支社長の宮坂久美子氏(60)が講師を務め、「社員がDEIを理解するだけでなく、長く意欲的に働き続けられる環境を会社が整えることが重要だ」と訴えた。
同行が主催し、県、県信用保証協会、同行の職員ら約100人が参加した。
DEIは、ダイバーシティー(多様性)▽エクイティー(公平性)▽インクルージョン(包括性)の総称。宮坂氏は、JALではDEIに基づいた目標として、女性リーダーの育成と輩出▽グローバル人材の育成▽LGBTQ(性的少数者)への理解▽障がいのある社員の活躍――を掲げていると紹介。「意思決定の場に女性がいると、コミュニケーションが活性化して議論も発展する」とJALの具体事例を報告した。
また、JALグループでは2022年度に女性管理職の比率が22・8%となり、25年度には30%に高める経営目標を紹介。DEIの一環として、女性社員の体調面に配慮し、月経や更年期など女性特有の悩みを提携医療機関にオンラインで診療相談できる態勢を整えていることも伝えた。
セミナーに参加した県子育て支援課の倉本靖也・担当係長は「人口減少社会の中でも誰もが活躍できるDEIは、愛媛の地域経済活性化には欠かせない理念と実感した」と話した。【鶴見泰寿】
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