主演ドラマ『おっさんずラブ』で社会現象を巻き起こした俳優・田中圭が『日曜日の初耳学』に登場。林修を聞き役に、『おっさんずラブ』後の苦悩や亡き母への思いなど、知られざる内面を明かした。「仕事をする上で大切なことは?」の質問には、長い沈黙で悩みまくる姿も…。“芸能界イチの親友”を名乗る中島健人も加わり、田中の“愛され力”に深く迫るトークを繰り広げた。
■大切な作品になった『おっさんずラブ』
『おっさんずラブ』は田中が芸歴19年、33歳にしてようやく掴んだ主演の代表作。香港やタイでもリメイクされ、この作品が田中を一気にアジアのカリスマ俳優へと押し上げた。
「自分の人生において大事な作品になりましたし、『おっさんずラブ』チームとはいまだに仲がいいので。ほぼ家族、親戚ぐらいの感覚はあります」と話す一方で、「シーズン1の時はみんなでご飯に行ったりお酒飲みに行ったりして、それを全部出していたら若干破産しました」と苦笑い。林先生に「残高が69円に!?」と問われると「そうですね、そのくらい行きました」と打ち明け、スタジオを驚かせた。
■中島健人、田中圭の愛されポイントは「誰も置いていかないところ」
番組では、局の垣根を飛び越えた出演作品トークが続々。『おっさんずラブ』について「台本に書いていないセリフや動きをアドリブというのなら、『おっさんずラブ』は半分くらいアドリブになります」「その場で生まれてくる感情を大事にしたくて。台本という素敵な地図を広げてくれているから、あとはそれぞれの役で暴れる分にはいいんじゃない?って」と、現場でのライブ感を重視していたことを明かしたほか、俳優としてのターニングポイントになったという『ウォーターボーイズ』と『ドクターX』のエピソードも打ち明けた。
『日曜日の初耳学』のスタジオメンバー・中島健人とは、『ぐるぐるナインティナイン』のコーナー「ゴチになります!」でも共演した間柄。トーク中、中島が親友の立場でインタビューに乱入した際には、田中に「親友じゃないとは言わないよ、もちろん。でもさ…だって何年ぶり?会うの。2年ぶり? 芸能界イチの親友って…逆によう言えてるな?」と苦笑いでツッコまれる一幕もあった。
中島の考える田中の“愛されポイント”は「人柄が良すぎるところ」。「大勢いても、誰一人置いていかない。僕は大勢の集まりで独りぼっちになっちゃうタイプなんですけど、そこを圭兄がくみ取って『お前何やってるんだよ』って来てくれて。誰も置いていかないところが、皆さんから愛されるところなんだなって見ています。“弟製造ニキ”だよね」という中島の言葉を、田中は嬉しそうに聞いていた。
■『おっさんずラブ』ヒット後“荒れていた!”衝撃告白
そんな田中だが、インタビュー中に「『おっさんずラブ』のあと、僕すごく荒れていたんです」と告白する場面も。「『おっさんずラブ』の前も俳優として成立してはいたんです。でもブレイクしなきゃ意味がないっていう流れの中で“鳴かず飛ばずだね”って言われた時もあって。その中で『おっさんずラブ』があってぽんと環境が変わっちゃった時に、すごく荒れて。『おめでとう』って言われることが僕自身、嬉しくないわけじゃないですけど、あまりにも言われ過ぎて『俺の今までって何だったんだよ』っていう気持ちになりました」と明かした。
そんな時期に出会ったのが、次なるヒット主演作『あなたの番です』。この作品を経て、田中は「普通にこれからも俳優をやっていていいんだな、じゃないですけど、(荒れていた気持ちを)ちょっと浄化してくれたっていうのはありました」としみじみ振り返った。
12月14日(土)放送の『サントリー1万人の第九』では朗読ゲストを務める。「難しいですね。どこまで感情を込めるのがいいのか、思いを乗せるのがいいのか。読むのがいいのか、読まないのがいいのか、(原稿を)持たないのがいいのか…。まだちょっと悩んでいます」と、本番に向けて試行錯誤中であることも打ち明けた。
■芸能界入りを勧めてくれた母への思い「ずっと一緒に」
インタビュー後半では、女手一つで育ててくれた母とのエピソードも。私立名門中高一貫校に中学校から通っていた田中は「けっこう早めに順位が下がりましたね」と回想。ずっと続けていたバスケットボールもケガで断念し、思春期で初めての挫折を経験したという。
そんな時期に芸能オーディションへの挑戦を勧めてくれたのが、母だった。「目標を持って進んでいる人たち、やりたいことを夢見ている人たちの中に入ってきてほしい、っていう思い」での提案だったといい、「それがきっかけで僕も自分自身がやりたいこととか、目標が持てる人生に変わったので、感謝しています」と打ち明けた。
活躍を誰よりも見せたかった母は闘病の末、『おっさんずラブ』放送開始の3か月前に他界。「めちゃめちゃケンカもしつつ、何だかんだ仲のいい親子ではあったんですけど…。仕送りをあげたり、近くに住みたいとか、今だったらしてあげられるのに、ちょっと早いよ、とはどうしても思いますけど…でも母親が他界してからのほうが、ずっと一緒にいる気にはなっているんですよね」と、率直な心境をしみじみと語った。
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