現代美術作家の村上隆さん(62)が18日、都内で行われたNHKのドキュメンタリー番組「フロンティア 夢見る〝怪物〟 村上隆」(BS4K18日午後10時、BS23日午後9時)の取材会に出席し、日本の美術・ビジネスの課題は「税制だ」と持論を語り、改革を提言した。
番組では、国内で8年ぶりとなる大規模個展「村上隆 もののけ 京都」(京都市京セラ美術館で9月1日まで開催)の舞台裏に密着。約160点の新作の制作に勤しむ村上さんを追い、個展の金策に悩んでいる姿も撮影した。
取材会で村上さんは、日本の美術・ビジネスの課題について「税制、とくに相続税」と話した。亡くなった有名漫画家の原稿がゴミとして処分されかねない現状を憂い、「かつてポケモンとかのアニメのセル画は全部東京湾に埋められていた。(資産として認められると税金が課されるので)そうしないと税務的にいけなかった」と振り返った。そのうえで、「イタリアみたいに日本を芸術大国にするには、相続税の芸術へのあり方を変えなければ」と語った。
同展では、村上さんが提案し、京都市が募集したふるさと納税へ、巨額の寄付が集まった。寄付を受けて、京都市に在住・通学している高校生、大学生、専門学校生は入場無料となっている。(三宅令)
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